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その後
それから毎日、ナルトはトマトを持って病院に来るようになった。

しかし、好きだと言ってもものには限度がある。毎日食べているうちに飽きてきて、胃が受け付けなくなってしまった。

トマトを皿に置いたまま食べないでいると、ナルトが心配そうにこちらの様子を伺った。

「食べないの。」
「食べたくない。」

率直に返せば、ナルトは悲し気な表情を浮かべ。

「じゃあ今日はオレが食べるな。」

と言って、嫌いであるはずの生野菜を口にした。

「オマエ、食えるのかよ。」
「ちょっとなら。」

そう言ってナルトは櫛切りにしたトマトをゆっくりと食べ始めた。

人が食ってると食べたくなるって本当だな。あんなに食べたくなかったのに、食べている姿を見ていると身体が欲してきた。

ナルトの口に次々と消えていくトマトにオレはゴクリと喉を鳴らした。

それに気づかないナルトはパクパクとトマトを減らしていく。

最後の一切れを口にした時、オレは我慢出来なくて

「待てよ。」
「ん……ッ。」

ナルトに口づけた。

不意をついたせいか、バカ面で緩んでいた口はすんなりと開き、ナルトの口内で形を崩し始めていたそれをすぐに見つけ出せた。そうして、それを掬うように舌で包み込むとスルリとナルトの口から取りだし、オレの口の中へしまった。

口を離すとナルトに

「何するんだってばよ!」

と怒られた。

「見てたら食べたくなった。」

と言うと

「食う前に言えよな。」

と返されたので

「オマエが食ってるのが良かった。」

と言った。

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