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郁千億の夜を越えてあなたに伝えたいbyナルト
呼ばれた名前と共に急激に迫るナルトにオレは動揺した。

胸ぐら捕まれたまま、ぐんぐん近づいて、あ、と思ったらキスをされていた。

ナルトは奪うような刹那のキスをすると、顔を真っ赤にしながら、ケーキ職人もびっくりするほど甘い言葉を吐き散らかした。

甘いって言ったって、ナルトのボキャブラリーなんてたかが知れてるから、好きだとか愛してるとか、あの山より谷よりとかそんなものでしかないけれど、ストレート過ぎるその愛の言葉に、不覚にも顔が火照ってしまった。



好きだ


大好きだ


愛してる



その言葉ひとつひとつにどれだけの思いが込められているのだろう。

長い長い愛の告白に胸がはち切れそうになった。

空っぽのコップに甘い砂糖をたっぷり溶かしたミルクを注ぐみたいに、オレの心は満たされていった。

言っても言っても言い足りないらしいナルトは、次々とコップにミルクを注いで、いつしか溢れてしまいそうだった。

ぎりぎりいっぱい。言葉にならないくらいの愛を語ったナルトは表面張力が解けて溢れ落ちるその瞬間、ついにコップに口をつけた。

そっと口をつけ、ミルクが溢れないように。たっぷり注いだ愛を確かめるように、優しく、そして、徐々に深く口づけていった。

オレも、その愛に答えるようにナルトに触れた。

触れて、触れて、今度は、ナルトがオレでいっぱいになるように。優しく、優しく、導いて、そのコップをオレで満たしていった。



ナルト、オレも愛してる。



愛しているよ……。

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あきゅろす。
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