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どうか、今見たことが幻でありますようにと空に願うサクラ
「ん〜うまく纏まったみたいだね。」
「え、あれで!?」

サスケくんとナルトは無事に森を抜けて来たらしい。私たちを見つけると、ナルトがサスケくんを置いて駆けてきた。

そんな様子を見ながらカカシ先生が言った。

「そうでショ。だって…」

しかし、途中まで言ったところで

「サックラちゃーん!!」

とナルトが大声で叫ぶもんだから、その続きは聞けなかった。

そのかわり、元気なナルトを指差して

「ホラね。」

と笑っていた。

結局、サスケくんとの仲がどうなったのかは分からないけれど、とにかくナルトが元気になったみたいなので万事OKだ。

サスケくんが戻ったところで先生が、明日からまた普通の任務に戻るから今日は早く帰ってゆっくり休めよと言った。



ナルトが「あー疲れたってばよ」と腑抜けた顔でさっさと帰ろうとすると、サスケくんが声をかけていた。

何を言っているのかよく聞こえなかったけれど、普通に会話ができるくらい回復したなら、それで十分だった。

それだけで十分だったのに、

「じゃあな。」

とサスケくんがナルトに告げた別れの言葉と同時に、

ナルトの頬に口づけた

ように見えたのは、どうか幻覚だって言って欲しかった。



蒸し暑い、じめじめとした初夏の空気に、早く冬の寒さを分けて欲しいと

無謀な願いを空に祈った。

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