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愛の試練完
目を覚ましたナルトは、オレを捕まえると、どういう風の吹き回しか、このあいだのことを聞いてもいないのにペラペラ話し出した。

ナルトが嘘をついていたこと。

そして、オレはその嘘にまんまと騙されて、ナルトを傷つけていたことが分かった。

ナルトが全て言い終わると、今度はオレが話す番だった。

「オレは、オマエに好きなヤツがいる、って聞いたとき、信じられなくて耳を疑った。」

しかも、男だったし……。と言うと、ナルトはハハッと薄く笑った。

「オマエはてっきりサクラが好きなのかと思っていたし、なにより、オレはオマエが好きだった。」

オレがあっさりそう言ってしまえば、ナルトは「は。」と言ったまま、口を開けっ放しにしていた。

「でも、オマエが×××が好きだって言うまでは男同士の恋愛感情があるなんて気づかずにいたし、気づいたところでオマエはオレの方を向いていないことが分かって絶望した。」

考える前に口が勝手に動いて、それで……と言うと、ナルトはそうだったのか……。と言った。

「ナルト。」

久しぶりに名前を呼んだ気がした。

「オレは、オマエが望むならいつだって一緒にいるし、なんだったら一緒に暮らしてもいい。もちろん、女なんていらない。愛だとか恋だとか、そんな感情抜きにしても、オレにはオマエだけだ。オマエを一番に思ってる。」

傷つけて、ゴメン。

最後の一言だけは心の中で唱えると、オレはナルトを抱き締めていた。

幻術にかかっている間、ナルトは何度もオレの名を呼ぶから、苦しかった。

どんな幻術にかかっているのか。幻術の中のオレが一体何をしているのか。考えただけで恐ろしかった。

また、ナルトを傷つけているのか。また、ナルトを酷い目に合わせているんじゃないのか。そればかり頭に過って、不安だった。

これ以上ナルトに嫌われたらどうしよう。目が覚めたらナルトに拒否されるんじゃないかって心配した。

幻術を解く手が震えて、上手くナルトの体内のチャクラを乱せなかった。

最終的にはあまりにもうるさくて、思わず殴ってしまったが……。

目を覚ましてくれて本当に良かった。

「サスケッ、苦し……。」

「わり……。」

思わず力強く抱き締めてしまった手をほどくと、ナルトはいくらか顔を赤くしているのが分かった。

「スケが…」

あまりに小さくて届かない声に耳を寄せると、

「サスケがそんな風に思ってるなんて知らなかった。」

とナルトは言った。

それもそうだろう。オレだって知らなかったし、口にしたのも初めてだった。ただ、自分が考えていたよりも、ずっとナルトのことを好きだと思っている自分には驚いた。

「オレ…バカみたいじゃん。」

流れそうな涙を拭きながらナルトは言った。

嫌われる必要なんてなかったんだ。と呟くと、ああ。と言ってオレはナルトの腕を取った。

涙と鼻水で濡れ、赤くなった顔を覗くと、オレはそっと額に口づけた。

驚いているナルトをよそに、腕を引っ張りそのまま一緒に立ち上がった。

行くぞ、と歩き出してもなかなか動こうとしないナルトに、

「今度は口にするぞ。」

と言ったら、

「バカヤロー!!」

と真っ赤なパンチが飛んできたので、至極簡単に交わしてやった。

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あきゅろす。
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