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「えッ!?なん……?」

突然の出来事に頭がついていかなかった。

頭に乗せられたプレゼントと思わしきものに驚きを隠せない。

サスケと食べようと思って買ってきたビニール袋を引っ提げて立つ姿はとても間抜けだろう。それでもオレは、サスケを見つめることしかできななかった。

「ほら、中入るぞ。」

「寒いだろ?」と言いながらオレの持ってた片方のビニール袋を引き取って、サスケは家の中へと入っていく。まだ立ち尽くしていたオレは、

「閉めるぞ。」

と言うサスケの言葉で、ようやく我を取り戻した。







「待てってばよ!」

相当驚いたらしいナルトがようやく覚醒し、慌て入ってきた。ドアを閉めると、「なんで?なんでだってばよ?」と煩かったから「なんとなくだ」と答えると、「そっか。そっか。へへッ」と被った靴下を弄り出した。

かと思えば、「あぁあッ!!」と声に出して驚き、

「オレってば、なんのお返し用意してないってばよ!」

と悲しみに打ちしがれたように落ち込んだ。全くコイツといると本当に飽きない。だから、

「お前がクリスマスプレゼントだろ?」

と言って被せた靴下を引っ張ってやると、そうか!といかにも名案だと言うようにして、

「今夜はオレをもらってくれってばよ。」

なんて調子に乗りやがったから、思いっきり頭をひっぱたいてやった。







「いってー!」

軽い冗談だったのにそんな強く叩かなくてもいいじゃん。

今度は別の意味で泣きそうになった。

「何買ってきたんだよ。」

久々にサスケ宅にお邪魔してビニール袋を置くと、ジャジャーンと言ってこたつに調達したご馳走を並べていった。

「まずはチキンだろ。それから、ピザ!あとはお酒……はダメだから、サイダーと、敢えてのシャンメリーだってばよ。」

「不健康極まりないな……。」

「クリスマスだからいいんだってばよ!」

サスケは太ってもいないのに気にしすぎだってばよ。かと言って、メタボなサスケも見たくないけど……。

なんて考えてたらサスケが

「ケーキはないのかよ。」

なんて言うから驚いた。

「え?サスケってば甘いもの嫌いじゃなかったけ。」

「まぁ、そうだが……。」

「ケーキ食べたかった?」

「いや。」

「じゃあなんでだってばよ。」

って笑いながら冗談めかして言ったら、

「クリスマスだから。」

と真面目に答えるから本気で笑っちまった。

「なにがそんなにおかしいんだよ。」

ふて腐れるサスケが可愛い。ただ盲目なだけかもしれないけれど。

それにしても、サスケってばクリスマス大好きなんだな。サンタにしろ、プレゼントにしろ、ケーキにしろ、そんなにこだわると思ってもみなかった。

そーいえば、冬至だとか行って、こないだカボチャと柚子買ってたっけ。

サスケってばイベント好きなのな。

意外な一面発見だってばよ!







何が面白いんだか。
クリスマスと言ったらケーキだろ。
あ、ツリーはないから諦めるしかないが。

「じゃあ、明日にでも買いに行こうってば。」

ようやく笑い終えたナルトが提案したが、明日ってどういうことだ。

「明日……、ってお前明日も来るのかよ。」

「っていうか泊まり?」

「はぁ。」

パンツは持ってきたけど、パジャマは貸してくれと言うナルトは準備周到なんだかそうじゃないんだか分からない。このクリスマスパーティーも突発的だったし、コイツの行動は全く読めない。

それでもって人の話は聞かないんだから本当にウスラトンカチだ。

残念ながら断る理由もないし、泊めてもらえないことは頭にないらしく楽しげにするナルトを悲しませる必要もないから、仕方ないなと承諾した。

「んで、ケーキどうする?」

「買う。」

話を戻したナルトにオレは即答した。やっぱ買いにいくんだと呟いたナルトの声は聞こえなかったことにした。

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