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大好きだ。

好きで好きで仕方ない。

そんなキミには、







「サスケェ、今日どうすんの?」

眉目秀麗な彼に、恋人がいないことはもちろん知っていて。じゃなかったらこんな電話なんかしないんだけど。

『……サンタにクリスマスなくなれってお願いしとく。』

「ぷッ!」

サスケの子どもらしいお願いに思わず吹いた。したら、『なんだよ、お前だってそうだろうが』なんて皮肉られて、「そうだけどさ」と言うしかななかった。けれど、本来の目的は独り身で虚しい心を抉ることではない。

「なぁ、暇なら一緒にクリスマスパーティーしようぜ?」

『はぁ?誰が寂しくて男同士でクリスマスパーティーなんざしなきゃあならねぇんだよ。』

「一人でサンタに祈ってるよりはマシだと思うけど?」

そう言えば、『まぁ、そうかもしれねぇけど……』とサスケに言わしめたのを良いことに、「じゃあ、これから材料持ってそっち行くから、準備ヨロシクってばよ!」と言うと、サスケの反論は聞かずに電話を切ってしまった。

サスケには悪いが、オレの想いもこれで報われるってものだ。

今日この日のために、バイト代稼いでおいた甲斐があった。

片思いなのは分かっている。

しかも、男同士だし。

けどさ、だけどさ、だからこうやってしかさ、彼の特別を頂けないんだ。

サンタさん、サンタさん。
プレゼントはいらないってばよ。だから、今日くらい、こんな我が儘許してください。







電話が切れて、ツーツーと言う音が3回ほど鳴ると携帯の画面は通話時間だけ映してすぐに待ち受け画面に戻ってしまった。

――勝手に約束こじつけやがって。

悪態をつく相手も今はいないから、睨むことすらできやしない。

準備って何すればいいんだよ。

どうしたらいいか全く検討がつかないので、とりあえず、家の片づけから始めることにした。と言っても、普段か整頓を心掛けているのでそんなに汚くはないが。

着信と共に映った『うずまきナルト』と表示されたディスプレイにドキリとした。

なんとなく、アイツのこと考えていたときだったから仕方ない。

これが、男女の関係だったら、確実にオレはナルトと付き合っていたかもしれない。しかし、悲しいかなオレたちはどこをどうとっても男同士で、それは現実でしかない。

それでも、コイツとは一生、かけがえのない友として一緒にいられればいい。そう思っている。

だから、この感情は、友情としてのモノだ。そう思うことにした。

オレにはそんなことを思うことしかできないから、そうだ。

アイツにクリスマスプレゼントでも買ってやろう。

何かは知らないが、これから持ってくるらしい材料は、どうせ今買っているに決まってる。ちょっとくらい出掛けても大丈夫だと算段をつけたオレは、片づけもそこそこに、アイツに似合うでっかい靴下を買いに行くことにした。







「あれ、いない……?」

材料を買い終えたオレは意気揚々とサスケ宅へ向かいチャイムを鳴らしてみたが当の家主が一向に出てこないではない。

なんで!?どうして!?!?

嫌な汗が身体中を伝う。

やっぱり男同士のクリスマスなんてキモかった?もしかして、本当はデートだったりしたんだろうか。はたまた居留守?いや、デート?彼女いなくても彼女候補はいるかもしれないし、っていうかサスケってばモテモテだし、誘ってくれるコはそこら中にいるよな。ああ、オレってばサスケに悪いことしちゃったってば??

一瞬にして脳内を駆け巡った自分の思考に半泣きになりかけたその時、

「あ、ワリィ。」

真っ赤なマフラーを巻いたサスケが後ろにいた。







「サスケェッ!!」

半泣きになりながらオレにすがるナルトは鼻水垂らして本当に汚ねぇ。

「マジどこ行ってたんだってばよ!?一瞬彼女いたのかと思って焦っちまったってばよ!!」

どこをどうしたらそんな思考に繋がるか分からないが、慌てふためくナルトを見てほんの少しだく可愛いと思ってしまった。

「だから、悪いっていったろ?」

「これやるから許せ。」と言って今時分買ってきたばかりのプレゼントを目の前で差し出して見せた。

「ふへ?」

間抜け面したナルトを余所に、包みを開けてしまうと、「メリークリスマス」と言って、明らかに身につける用ではない大きな靴下をナルトの頭に被せてやった。

「え?ええッ!?」

盛大に驚くナルトに、これは成功だったなと思ってオレは満足した。

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