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放課後(下)

「ハイ、終了。」

気づけばテストは終了していて、まぁ、赤点になることはないだろうと思う。

先生は回収し終わるとさっさと出ていってしまい、追試科目の少ないヤツらは先に帰っていしまってた。

つまるところ、この教室に残されているのはサスケとナルト、二人きりと言うことだ。

(き、気まずいってばよ……。)

その状況をなんとか打破しなければならない。なぜだかそんな焦燥に掻き立てられていたナルトは、うちはサスケに話しかけたのだった。

「お前ってば、一人暮らしなんだってな。」

けれども悲しいかな、出た言葉はサスケの眉をひそめさせるだけに留まり、全く発展しなかった。わけのわからない焦りを感じているナルトは、なんとか話を繋げようとない頭捻り回して声を上げる。

「バイトも掛け持ちしてて、大変みたいだしさ。部活は入ってないんだよな。友達もいなくていっつもひとりで、寂しくねーの。」
「…何が言いたいんだテメーは。」

状況を悪化させることしか言えないナルトをハッと薄笑い息を吐いたサスケは、

「同情したいなら勝手にしてろ。罵りたいなら他を当たれ。」

オレに構うな。

そう冷酷に告げると、鞄にノートやら筆箱を詰め込んでその場を立ち去った。

「オレはッ!」

このままではいけない。一生後悔する。本能的に察知したナルトはサスケの後ろ姿を引き留めるように叫んだ。

人気のない教室に声が木霊する。

「オレがッ、オマエの友達になってやる!」

必死でそう訴えるナルトにサスケは足を止めた。そして振り返り、

「バッカじゃねーの。」

ほんの少しだったけど笑ったように見えたんだ。

しかし、表面的な言葉にしか反応できないナルトはつっけんどんに言い返した。

「バカってなんだよバカって。」
「バカはバカだウスラトンカチ。」
「そのウスラトンカチってのヤメロよな。」
「じゃあドベだな。」
「ドベでもねぇってばよ。オレはナルトだ。」

うずまきナルトだってばよ。

そう伝えると、言葉を詰まらせたサスケは

「そうかよ。」

と言うと教室を出ていってしまった。

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あきゅろす。
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