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いつまでも黙り、うつ向くナルトに我慢できず、
「わかったならさっさと帰れ。」
と冷たくいい放つと、ナルトはようやく重たい口を開いた。
「サ、サク……。」
「咲く?」
かと思えばもぞもぞとしていて何が言いたいのか分からない。だから「ハッキリ言え」と伝えたら、バッと顔を上げ、叫ぶように訴えた。
「ッ!もうすぐサクラちゃんの誕生日なんだってば!」
「……!」
「サクラちゃん、ずっと前からあの花、見たがってたんだってばよ!だから、プレゼントしたらよろこんでくれるかなッて!けどあそこがあぶないって聞いて……。サスケなら……サスケなら協力してくれると思ったから……ッ。」
「……。」
オレは言葉に詰まって何も言えくなってしまった。裏があると思ってはいたが、まさかそれがサクラの誕生日だったなんて。そんなの知らなかった。知らなかったし、知らないにしてもだいぶ身勝手な理由で断ってしまった。そんな自分を恥じた。
確かに、ナルトがバカでドベでウスラトンカチだと言うのは衆知の事実だが、どうでもいいと思うことにこだわる質でないことは、今まで一緒に任務をやって来て分かるようになった事実だ。
だからこそ、たかが花にこだわるナルトを不信に感じたのだ。
そこまで気づいたところでもう遅い。ナルトは、
「もういいってばッ!オレ一人で行くから。誘って悪かったな!!」
じゃあな!と言うと、怒ったように扉をピシャリと閉め、ダンダンと足を踏み鳴らし去って行った。
部屋に取り残されたオレは、立ち尽くすしかなかった。
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