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要領の得ない内容を一応は理解してみようと尋ねてみれば、更に意味が分からない。
『あの岡』と言うのは指差した方向からして、恐らくいつもの集合場所から見える岡の事だろう。しかし、花がなんだと言うのだ。今の季節になれば、花なんてそれぞれに適した温度・日照時間があれば勝手に咲くものだ。
それに第一、オレは花に興味がない。
ため息をついたオレに、ナルトは一瞬ムッとしたような顔をしたが、更に説明を加えた。
「その花、3年に1度しか咲かないんだってばよ。」
「へぇ。」
「だから、一緒に、」
「行かねぇ。」
「なっ!」
その花が珍しいものであることに興味は沸いたが、それをわざわざ、しかもナルトと一緒に見に行く必要は全くない。一緒にいてもウルサイだけだし、正直疲れる。見るのであれば一人で行った方が断然気楽である。まして、今日は休日だ。花を見るためだけに、なぜナルトと一緒に過ごさなければならないのだ……!
コイツにそういう脳ミソは備わってないのか。
「お散歩に行きてーんなら、他を当たれ。」
「お散歩じゃねー!花を摘みに行くんだってばよ!!」
花を摘みに。その言葉に違和感を覚える。ナルトにそんな趣味があるとは思えず、かと言って思いつくのはいのに頼まれたアルバイトかなんかなのではないかと言うことくらい。ただ、それだけの理由でオレを誘ったのだとしたら、バカバカしいことこの上ない。そんなことにつき合う謂われも所以もないのだ。
「どっちにしても変わらねぇよ。それくらい一人で行け。」
「うッ……。あ、あそこは危ない所らしいんだってば。だから……。」
言葉が詰まるあたり益々怪しくなってきた。多少の危険くらい、コイツの軽い頭ならひょいひょい行ってのけそうなのに、突き放した途端取って着けたような言い訳しやがって。裏があるとしか到底思えなくなってきた。
「危険だろうがなんだろうがお前がやらなきゃならないことなら他人を巻き込むな。それにどんなに危険だろうがどうせ木ノ葉の中だろう?そのくらい一人で行けなくて……よく今まで忍やってきたな、オマエ。」
そこまで言ってしまうと、さすがのナルトも影を落とした。
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