*拍手ログ バレンタイン@政宗ver. 「せーんぱいっ」 肩を叩かれて振り返ると、人差し指が頬に刺さった。地味にいてぇぞコレ。 後輩で、かつ俺の彼女──今日も可愛い──が、イタズラが成功してにひひと笑っている。その左手が持っている小さな紙袋に目が止まった。 「Ah……チョコか? チョコだな!?」 「んながっつかないで下さいよイケメンのくせに」 馬鹿やろう今がっつかないでいつがっつくんだ。好きな女(しかも両想い)のチョコくらいねだったって良いじゃねぇか。 「あい。日ごろの感謝を込めて」 「……Loveを込めたんじゃねぇのかよ」 紙袋を受け取りながら少しばかりムッとする。 俺ら、Loversじゃねぇの。え、そう思ってるの俺だけ? でも告白されたの俺だと思うんだけど? 「先輩、変な顔してます」 うに、と両頬をつままれる。だから、地味に痛いって。 「ンだよ。お前のせいだろ」 「はい、すみません」 変な顔、あはは。お前が笑うから、俺もつられて笑顔になる。仕返しに頬を思い切りつねってやる。 「いひゃいいひゃい!やめれまひゃむね!」 「っ!?今!」 今、政宗って言ったよな?普段言わねぇのに何でこういうtimingで言うかなコイツは。 「ふぇ?」 痛みからか涙目になっているが、そんなことは関係ねぇ。 「もっかい言ってみろ今の」 「痛い痛い、やめ……あ」 自分が何を言ったのか今頃気づいたようで、ぼぼっと音が出そうなほど一気に顔を上気させる。 「言え」 「……ま、さむね」 俯いて消え入りそうな声で、けれど確かに俺の名を呼ぶ。ああもう、なんでそんなに可愛いんだ馬鹿。 (これからは政宗って呼ばねぇと返事しねぇからな) (ぇえ!?が、学校でも!?) (あたりめぇだろ) (……うう、恥ずかしい) (Ha! 知るか) [*前へ][次へ#] [戻る] |