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*拍手ログ
バレンタイン@殺生丸ver.


「せ、殺生丸っ」
「なんだ」
「だいすきです。今までもこれからも」

 真っ赤になりながら、はい、と手渡されたそれから漂う甘ったるい香り。

(──甘いのは苦手なのだが)

 目の前に不安そうな、しかし嬉しそうな顔をした自分の女がいては、食べない訳にもいかない。
 綺麗にラッピングされたそれを解き、箱の中の、一口大の生チョコを見る。

(見るからに甘そうだ)

 もう一度ちらりと前方に視線をやると、涙目でこちらを見られていた。

(ッ……その目は反則だろう)

 可愛い。もっと言えば、泣かせt…いやいや、抱きしめたくなる。
 一緒に入っていたハートのモチーフ付きのピンでチョコを持ち上げ、そっと口に入れる。

(甘すぎる)

 普段は甘いものなど全くと言っていいほど食べない殺生丸にとって、ミルクチョコで作ったこの甘さは殺人的に甘かった。
 だからといって吐き出すわけにもいかない。だが飲み込もうにも体が拒否している。ならば方法は一つ。

「……おい」
「はい?」

 口付けと共に、舌を絡めながら甘いものを向こうへ押しやる。苦しそうにしながら、素直にこくりと飲み込んだ。
 そのまましばらく口中を楽しむと、チュ、とリップノイズを残して唇を離した。
 涙目のまま、顔を赤くするその姿に、耐えきれずに抱き寄せる。
 耳元に唇を寄せて、囁く。

「甘すぎる。来年はビターにしろ」
「ッ──は、はい」


(殺生丸の言動のが甘いと思います)
(そのチョコよりましだ)
(そんなに甘かったですか)
(ああ。……お前もな)
(っだから、甘いですってば)



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あきゅろす。
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