椿の蕾 来欲 その日、オレは生徒会室に行き、そしてその惨状に唖然とした 溜まりに溜まった書類が机の上に溢れかえっていたのだ 「うそ、でしょぅ……」 徐に近づき、日付を見ると、それはオレが階段から落ちたあの日からの書類もあった 「じゃ、じゃあ、皆はぁ、仕事をしていなかったってことぉ……?ここにも来ていない……?」 なんで?……なんで皆仕事してないの? 何時もだったら、かいちょうはふんぞりかえって無駄に豪華な椅子に座ってて、ふくかいちょうは笑顔で出迎えてくれて、姫ちゃんは遅い!って罵倒してきて、双子は両サイドから飛び付いてきたのに 今、目の前にあるのは大量の書類だけ。 「………やっぱり皆は、」 頭の中で一番最初に思い浮かんだのは、転校生、永原 鈴 皆、きっとあの子の所に行ってると思う。今日1日で、生徒会は転校生に惚れている、という噂を何回も聞いた その中にあの人も含まれているっていうことも… 「……っ、あーもうやめやめ!考えるのやめよ!そんなことより今はこの書類を終わらせないと!」 オレは考える事を放棄し、仕事に取り掛かった 「うん、皆だってじきに戻ってくるさ。今だけだよ。ちょっと今は忘れちゃってるのかも知れないけど、すぐに思い出す筈だよね。あっ、もしかしたら、今日は皆来るかも知れない!今日じゃなかったら明日かも!久しぶりにふくかいちょうが淹れてくれる紅茶が飲みたいなぁ。あはは」 それから一週間、彼等が来ることは無かった…… [*昨日][明日#] [戻る] |