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Novel
ただ、君を想う(4)
「うわっ、どーした木暮!まさか泣く程イヤなのか!?」
「・・・違うよ、バカ。」

先日の一件以来、三井に対しても遠慮や悪びれがなくなった様な気がする。

「・・・そーか、よかった」
三井は怒る素振りもなく、穏やかだった。
「やっぱ、誰も味方がいないのはいくら俺様でも辛いからよ。突然・・・悪かったな。こんな土曜の朝に会ってくれー、なんて無理言って。俺、バカだよな。お前なら、絶対俺のことだって・・・理解とまではいかなくても、少しは理解してくれるんじゃないかって・・・過信してたんだ・・・。」
「・・・・・・。」
なんと声を掛ければ良いのか判らず、木暮はただただ三井の話に耳を傾けた。
「自過剰もいーとこだよ。お前は、バスケ部の副キャプテンで誰より部のこと考えてんのに、それをブッ壊しに来た奴をまた許してくれるなんて思っててさ・・・。ホント、バカだよ、俺。大バカ。」

自嘲気味に、三井は続ける。

「・・・ホントに悪かった。こないだも、今までも。痛かっただろ?ゴメンな・・・」
溶けそうな程甘く、そして優しく三井は自分が叩いた木暮の頬に手を添えた。

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