Novel
ただ、君を想う
朝、休日でもいつもと変わらず目が覚める。
「・・・・・・。」
木暮は、まだぼんやりとした寝ぼけ眼で自室の天井を見上げていた。
ただ、君を想う/三暮
「三井、今日くるかな・・・」
横になった体勢のまま、天井に向かって手を伸ばし、3Pを打つ真似をしてみる。
ほんの少し、思い出した頬の痛みに三井の影が木暮の頭の中を、支配した。
「・・・・・・。」
それから、木暮は起き出して身支度を始めた。
今日は多分、先日の事件のケガ人たちの本格的な治療などの事後処理の為、部活らしい部活は出来ないだろう。
けれど、シューティングくらいなら・・・そんな思いで、木暮はカバンに荷物を詰めていた。
プルルルル・・・
土曜の早朝という、何とも非常識な時間に電話が鳴った。
「・・・・。」
木暮は一瞬躊躇ったが、まだ眠っている家族を起こす訳にはいかないと思い慌てて受話器へと向かった。
「はい、木暮ですが・・・」
「・・・・・・」
「・・・もしもし」
「・・・・・・」
「・・・・・・。」
いたずら電話かと思い、受話器を置こうとした、その時
「木暮か?・・・俺だけど」
受話器越しに、三井の声がした。
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