Novel ナマエ [赤木+木暮] 「どうしても淋しい時は、俺のこと名前で呼べ。いいな。」 そう言って、赤木は外方を向いてしまった。 それは、半ば強引に決められた2人だけの、約束。 全国大会出場をかけたインターハイ予選が終わり、3年生の引退が決まった。 新チームとしての次の大会に向けて、日増しに厳しくなる湘北バスケ部の練習に耐えることが出来ず、ついに1人、また1人と部員たちは去っていく。 彼らを止めることも、理解することも出来ずに、木暮は広くなっていく体育館で毎日を過ごしていた。 大丈夫、まだ負けない。 大丈夫。 魔法の呪文の様に、そんなことを小さく呟きながら。 →Next [前へ][次へ] [戻る] |