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他1
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「じゃあ、それで報告書のことはチャラで…」


「無理です。」


「…駄目か……」


「分かってたなら聞かないで下さい。」


「それじゃ、どうすりゃいい?」



困った顔で私を見る隊長。


私が欲しいのは、綺麗な貝殻のネックレスでも、ましてや宝石や金銀ではないんです。


そんなことも気づかないなんて。



「……ばか。」


「あ?何か言ったか?」


「いえ。それより隊長、報告書の報酬というか、お願いがあります。」


「お願い?珍しいな。四ツ葉がおれに頼み事なんて。」


「いいじゃないですか。」


「悪いとは言わねェよ。何だ?」



頬杖をついてニッと笑って私を見る。



「これからは私も隊長の視察に付いて行きます。」


「…………はあっ!?」



頬杖がずるりと倒れ、頭が落ちかけながらも驚きの声を上げた。



「いいでしょう?」


「良くねェッ!」


「あなたの話だけじゃ、報告書が書けませんから。」



うっ…と隊長は押し黙った。もう一押し。



「私も行って、同じ物を見て。報告書はこれからも私が担当しますから。ね?」


「………………」



隊長は渋い顔で頬をかき、小さな声で言う。



「危険だぞ?」


「はい。」


「死ぬかもしれねェのに?」


「死にません。だってあなたが守ってくれるんでしょう?」


「ぐ……、ったく…」



勝った。思わず笑みがこぼれる。



「これから宜しくお願いします。隊長」


「……ああ。親父には話を通しておくよ。」


「はい。」


「んじゃ、その報告書宜しく頼んだぜ。」


「任せて下さい」



隊長が部屋を出たあと、クスクス笑ってしまった。


私が欲しかったのは隊長との時間なんですよ。

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あきゅろす。
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