他1 ページ:5 「これだけの時間、魚を見ていて気づかない四ツ葉も四ツ葉だ。――魚は普通、消えたり現れたりしない」 「ええ。それにはすぐ気付きました。―――しかし、あの魚の餌など知りませんし、方法もこれしか知りません。だからと言って、諦めたくありませんでした。」 「“期待をする”と言って下さったから」 驚き、一瞬目を見開く太公望。 だがすぐに目を細め、笑った。 「やはり人の子は読めぬ。」 「私はあなたが分かりません。」 「所で、あの魚はどうやって捕まえれば?」 「術で動きを封じ、あとは手で取るだけだ。簡単だろう」 「――聞いた私が馬鹿でした」 [*前へ] [戻る] |