うちとBASARAと日輪の智将 ページ:9 「……ここに来てから、寂しくなかったわけでも、恐くなかったわけでもない−−」 「−−泣けなかっただけだよ…」 少しの沈黙。 「就は、うちみたいにならないで。まだ感情はある。−−−悲しいも辛いも、まだ心の中にあるでしょ?」 「………………。」 「……うちは、隠してない。心から表情を表せない…。出来るなら、うちも泣いたりしたいよ。」 なつめは猫をそっと下ろす。 「…隠してると、本当の感情も消えちゃうよ。だから、隠さないで、表して欲しい。…例え、感情を見せる相手がうちでなくても…」 元就の隣にそっと座る。 「………我は、独りでよい。」 ぽつり。と呟き、元就は少し厳しい顔になる。 [*前へ][次へ#] [戻る] |