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「これからは、せめて夜中だけ出してあげようよ」

「そうだな…」

「それじゃ、僕もセイラとナギニが鉢合わせしたりしないうちに、ナギニを見つけられるように努力してくるよ」

「あぁ。私はナギニが戻ってきてすれ違いにならないように部屋にいる」

「分かった」



僕は部屋から出て、ナギニの行きそうな場所を考えながら歩き出した。そして、ふと思う。
なんで僕はこんなにも、セイラの為に行動するのだろうか。それ程、あの子に依存しているのだろうか。



「………そうなのかも、しれないな」



セイラの為なら、こうやってナギニを探すのに屋敷を歩き回るのだって厭わない。
セイラの為なら、僕はなんだってするだろう。



「ヴォルも同じなんだろうか…」



きっとそうだろう。だって彼は、僕の未来の姿なんだから。



***



「………ぬぁっ!」



自分で言ってなんだけど、なんだ今の声。やべ、今絶対寝てた。

本をテーブルの上に置いて、グッと伸びをした。…イスに座ったままうたた寝したのがいけなかったな……、背中痛え。



「あれ、リドルまだヴォルの所に行ったまんまなんだ」



本に熱中してたのもあったけど、リドルが部屋から出て大分時間が経ったと思う。そんなに重要な話しでもしてるのだろうか。


………それにしても、眠い。
最近ずっと本読んでてあんまり寝てないからなー。……少し寝るか。リドルが戻ってきたら起こしてくれるだろ。



「……と、その前にこの本戻してくるか」



また見つからなかった。なんてぼやきながら、本を戻すために書斎に向かった。



***



「ん?」



本を本棚に戻して、部屋に戻ろうとしたとき、何かが本棚の脇を通った気がした。
不思議に思って、そちらに向かって見ると……。



ワォ、蛇がいるよ。
…思わず、某風紀委員長の口癖になっちゃったよ。



しかもなんかこっち見てる。あれか、ナギニか?今まで1度も見なかったけど、やっぱりいたんだな。



「………これで、蛇語が分かったりしたら凄いよなー」



よく夢小説であるよな。あれ、蛇語が話せちゃったよ、的な展開。まぁ、流石に俺に限ってそれは無いか。



「…それにしても、結構大きいな」



それに、想像と違う。普通の蛇が大きくなったぐらいの考えだったけど、なんていうか…綺麗。
真っ白いウロコに覆われてて、黄色より金色に近いような目をしてる。



「白い蛇なんて始めて見たなぁ。うひゃー、綺麗……」



蛇は嫌いでは無いけど、余り間近で見た事が無かったからなんだか新鮮。しかも、恐らくナギニだろうし。

ジーッと見ていると、不意にこちらに寄ってきた。動かないでそれを見てると、目の前に来て軽くすり寄ってきた。



「か………可愛いっ!!



しゃがんで、手を伸ばして頭を撫でてみる。嫌がる素振りを見せず…むしろ喜ぶように、尻尾をゆらりゆらりと左右振っている。

なんだこの子、めっちゃ可愛いぞ。

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