2 「これからは、せめて夜中だけ出してあげようよ」 「そうだな…」 「それじゃ、僕もセイラとナギニが鉢合わせしたりしないうちに、ナギニを見つけられるように努力してくるよ」 「あぁ。私はナギニが戻ってきてすれ違いにならないように部屋にいる」 「分かった」 僕は部屋から出て、ナギニの行きそうな場所を考えながら歩き出した。そして、ふと思う。 なんで僕はこんなにも、セイラの為に行動するのだろうか。それ程、あの子に依存しているのだろうか。 「………そうなのかも、しれないな」 セイラの為なら、こうやってナギニを探すのに屋敷を歩き回るのだって厭わない。 セイラの為なら、僕はなんだってするだろう。 「ヴォルも同じなんだろうか…」 きっとそうだろう。だって彼は、僕の未来の姿なんだから。 *** 「………ぬぁっ!」 自分で言ってなんだけど、なんだ今の声。やべ、今絶対寝てた。 本をテーブルの上に置いて、グッと伸びをした。…イスに座ったままうたた寝したのがいけなかったな……、背中痛え。 「あれ、リドルまだヴォルの所に行ったまんまなんだ」 本に熱中してたのもあったけど、リドルが部屋から出て大分時間が経ったと思う。そんなに重要な話しでもしてるのだろうか。 ………それにしても、眠い。 最近ずっと本読んでてあんまり寝てないからなー。……少し寝るか。リドルが戻ってきたら起こしてくれるだろ。 「……と、その前にこの本戻してくるか」 また見つからなかった。なんてぼやきながら、本を戻すために書斎に向かった。 *** 「ん?」 本を本棚に戻して、部屋に戻ろうとしたとき、何かが本棚の脇を通った気がした。 不思議に思って、そちらに向かって見ると……。 ワォ、蛇がいるよ。 …思わず、某風紀委員長の口癖になっちゃったよ。 しかもなんかこっち見てる。あれか、ナギニか?今まで1度も見なかったけど、やっぱりいたんだな。 「………これで、蛇語が分かったりしたら凄いよなー」 よく夢小説であるよな。あれ、蛇語が話せちゃったよ、的な展開。まぁ、流石に俺に限ってそれは無いか。 「…それにしても、結構大きいな」 それに、想像と違う。普通の蛇が大きくなったぐらいの考えだったけど、なんていうか…綺麗。 真っ白いウロコに覆われてて、黄色より金色に近いような目をしてる。 「白い蛇なんて始めて見たなぁ。うひゃー、綺麗……」 蛇は嫌いでは無いけど、余り間近で見た事が無かったからなんだか新鮮。しかも、恐らくナギニだろうし。 ジーッと見ていると、不意にこちらに寄ってきた。動かないでそれを見てると、目の前に来て軽くすり寄ってきた。 「か………可愛いっ!!」 しゃがんで、手を伸ばして頭を撫でてみる。嫌がる素振りを見せず…むしろ喜ぶように、尻尾をゆらりゆらりと左右振っている。 なんだこの子、めっちゃ可愛いぞ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |