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捕らわれの身







「しししっ……兄弟、ねぇ…」




兄弟―――…

紛れもなくそれは真実。一番腹が立つ事実。




「なぁ……頼むよ…」

「ししっ ばっかじゃねぇの?」



笑えるっつーの

そう笑えば、使用人達は静まり返る
当たり前だし。お前がどれだけ重い罪を犯したか、みんな知ってんだよ



「……」

「どうした?震えてっけど」



今すぐ笑いたい感情を抑える
この後、もっとおもしれぇ事になりそうな予感だし??



「…………はっ……」

「?」


「……はっ…!!バカはてめぇだろぉよぉ!裏切り者のベル!!!
時期王となるこのオレを、このラジエル様をこんな所に監禁してていいと思ってんのかぁ!!?」

「いいと思ってるけど?」


お前はそれ程の罪を犯した人間だぜ?
たとえ、オレの権限でコイツを外へ出したとしてても、愚民共が大騒ぎだ



「ならてめぇは馬鹿だ!!8年で随分と馬鹿になったんだなぁ!!しししししっ!」

「お前ほど馬鹿にはなってねぇし」



一々馬鹿みてぇに騒ぐコイツがムカつく

あぁ、そうだ
コイツにはまだ言ってなかったんだっけ



「ベル様!」
使用人が止める声を無視して、古びて錆だらけのドアを開ける


「ししっ……入ってきて、何するわけ?まさか助けるなんて鳥肌モンだぜ?」


両手両足に分厚い手錠
こんなんでよくナイフ投げれたよな
全部没収したと思ったんだけどな



「まさか。
良いこと教えに来たんだよ ジル」

「?」



「今、王子は死んだ事になってる。それがジル、お前
愚民共には王子は1人しか存在してないって事を伝えてあるのはお前も知ってんだろ?」

「……お前、まさか…」

「そ♪」




王と妃の間に、双子の男の子が生まれました
国民達に知らせる前日、少し目を離した隙に鷹が弟を浚ってしまった……
兵を使って懸命に探したが見つからず、公表の時刻も迫っていた……そして、国民を混乱させないよう、仕方なく王子は1人だと説明した

しかしその王子は国を支配しようと反乱を起こした。失敗した王子は自ら自殺
その数年後、自殺したはずの王子の目撃証言を知った王と妃は、自ら足を運んで探しに行った……




「――――……もしかしたら、弟かもしれない。そう願って、ね」






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あきゅろす。
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