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全ては貴方のために









◆全ては貴方のために




運命(さだめ)とは突然やって来る。


いつもと変わらない日々だったのに、明日も皆と笑い合えると思っていたのに…。



俺たちはもう"普通のサッカー"が出来ない。
ライバルたちを蹴散らし、称号を得なくてはならない。


だって"父さん"にとって弱い奴は必要ではないから。
弱者に興味はないのだ。


だから俺たちは強くならなくちゃいけない。




すべては"父さん"のために…ーー















「おーい風介ー!パスだ!」

「言われなくても分かってる」


燃えるような深紅の髪に琥珀色の瞳の持ち主、名は南雲晴矢。
ニコニコと楽しそうにサッカーをしている。
南雲からパスをもらったのは
凍てつくような銀の髪に藍緑の瞳の持ち主、名は凉野風介。
落ち着いているが、サッカーをしている表情に少しの笑みがある。


「シュートだ晴矢!」
「おうよ!!」


凉野からボールを貰い南雲は頭上へと蹴り上げる。
「おらぁっ!」
そして渾身のシュートを放った。
見事ゴールし南雲は後方にいる凉野に視線をやり、太陽のような輝いた眩しい笑みを向けた。


「ふっ…ナイスシュートだ。晴矢」

「へへっ。サンキュー!」


パン、と赤と銀がハイタッチをする。


ぎゅっと握り締めたお互いの拳。
凉野と南雲は顔を合わせニッと笑んだ。









いつもの日常、それから変わったのはいつからだろうか。

いつから楽しそうな笑みが消えてしまったのだろう…ーー















「ヒロト」

「何?父さん」


「話したいことがあります。来なさい」
「はい」


そう、この一言から、
「ヒロト、貴方たちにはこれから戦ってもらいます。私のために戦いなさい。"ジェネシス計画"始動です」






俺たちの全てが変わった。









◆あとがき


語り部分はヒロト視点、かな。




since 2012/9/23





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あきゅろす。
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