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空を見上げて
標的7 その1


『うわっ…靴までぴったり』


昨日の一件があり沢田家に帰ると玄関にダンボール箱が置いてあった。

ビアンキによると葉っぱをくわえた学ランの人が持ってきたらしい。

草壁さん、ご苦労様です。

それにしてもカッターシャツからスカート丈まで採寸したかのようで、試しに着てみた時は苦笑いが出てきた。

そして今は朝の8時。

並中までは15分位らしく、今から出ても閉門の20分前には到着する。

けど、転校初日なので早めに行って職員室を訪ねないといけない。

そのために靴を履いたのだがここまでくると風紀委員クオリティだ。

呆れ半分、感心半分でため息をつくとリボーンが二階からおりてきた。


「ちゃんとナイフ型銃は持ったか」

『言われたからポケットに入れといたけど、学校に必要…?』

「ヒバリのトンファーに素手で戦えるのか?」

『無理』


つい真顔で即答してしまう。

というかまだろくに撃てないので戦うことは避けたい。

それ以前に戦いたくない。


「もし戦わなくても不良相手に威嚇として使えるじゃねーか」

『威嚇なんてしないから。いざとなったら逃げるし』


ニヤリと笑いながら何かを企んでいるかてきょーさん。

マジで背筋凍りますって…。

またわざと不良に遭わされるのか?と思っていると奥からチビ達が走ってきた。


「柚ー!!」

「柚サン!」

「柚姉!」


膝立ちをして走ってくる3人を受け止めるが、さすがに3人は重くて尻餅をつく。


「あらあら…柚ちゃん大丈夫?」


チビ達の後ろからやってきた奈々さんの手を借りて立ち上がり、制服を整える。


『はい。ありがとうございます』


微笑みを浮かべてお礼を言うと、微笑み返してくれた。


「ならよかったわ。いってらっしゃい」

「いってらっしゃいだもんね!」

「イッテラッシャイ!」

「気をつけてねー!」

「保健室には何があっても行ってはダメよ」


4人と何時の間にか出てきたビアンキに見送られ、道案内役のリボーンと共に並中へと歩き出した。


Θ



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