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空を見上げて
標的11 その3

「っ!!?」

『やばっ!“恭弥”急いで!!』

「………」


慌てて呼びかけると私のようにピシリと固まる雲r…恭弥。

…やってしまった。

と後悔するも呼んでしまったのでもう遅い。


「…目的地はあそこだね。走るよりバイクの方が早いから、こっち」


思っていたより早く復活した恭弥に手を引かれ着いた場所は駐輪場。

そして数少ない自転車の中で場違いなバイク。

そういえば、バイクに乗ってな…。

などと原作を思い出していると「ヘルメットなんて物ないから」と言われて背筋が凍る。


「事故なんて僕が起こすわけ無いでしょ。早く乗りなよ」


半分無理やり後ろに乗せられると、完全に制限速度を無視して走り出す。

そのせいでしっかり恭弥に手をまわしとかなければならく、その背中に顔を沈める。


「何?」

『…兄貴に似てるなって思っただけ』

「そう」


“恥ずかしかったから”なんて言えずに誤魔化したとは言え、本音だ。

あの馬鹿でかい兄貴と顔と身長以外の容姿(髪型とか肌の白さとか)が似ているのも有るだろうが、根本的な所も似ている。

意外と恭弥は兄キャラなのかもしれない。

…というかそうだと自分に暗示を掛ける。

そんな兄貴(仮)のバイクで揺られること十数分、繁華街に到着した。

ツナやリボーン達はもう病院に行って居ないみたいだが、獄寺と山本は呆然と立っている。


「これは…」

『あー…、犯人は知ってるから今度そいつから請求して。取りあえず今は警察が来るだろうから、これはすべて“映画の撮影”だった…ということにして欲しいんだ』

「分かった。そいつには三倍の請求書を作っておくよ」


怖いぐらい素敵な笑顔で到着した警察官の方へ歩いていく恭弥。

ちょっ、ホントに恭弥だよね…。


「柚…?」

「なんでお前が此処に居るんだよ…!」


苦笑いで恭弥を見送ってから山本と獄寺に向き直ると、1人は力の無い目で、1人はいつも通りを装って此方をみる。


『…傷見せて。今はそれが先』

「おぅ…」

「……」


先に返事した山本の手をとり、鞄から消毒液などを出して治療をはじめる。

山本の治療が終わり獄寺のに移ると、不意に彼が口を開く。




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あきゅろす。
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