空を見上げて
標的10 その1
翌日、金曜日の16:00。
それが私が起きた時間だ。
約一日中寝ていたということになる。
1人ツナのベットの上で慌てていると、リボーンが部屋に来た。
リボーンいわく、学校(雲雀)には連絡してあるし、先生達の学会があったから今日は半日だったみたいだから気にするなということらしい。
「とりあえず、何か腹に入れる為にも着替えて降りてこい」
言い終わると気を利かして部屋から出て行くリボーン。
待たせないために、慌ててTシャツにハーフパンツとラフな格好に着替える。
そういえば、ツナはどこに行ったのかな…?
今日のお昼に退院だって言ってたし。
と疑問に思いながら階段を降りているとタイミングよく玄関の扉が開いた。
『おかえり、…って!?』
顔色の悪いフゥ太に階段二段飛ばしで駆け寄る。
「柚ちゃん、フゥ太くんを任せて良いですか?」
フゥ太の後ろにいたハルの言葉に頷き優しく抱っこした。
身長が低いからちょっとキツいけど、出来ないことはない。
けど、少し危ないのでハルと共に居た京子に支えてもらう。
リビングで枕代わりにリボーンが持ってきてくれた座布団を二つ折りにして頭の下に入れ、脈をはかる。
130強…速い。
ふさふさしているフゥ太の髪の毛をゆっくり撫でながら2人にこうなった原因を尋ねてみる。
『フゥ太っていつからこうなった?』
「えっと…ツナさんに会った後からですかね」
『えっ…!?』
「そうそう。3人で美味しいケーキ屋さんを巡ろうとしてたときに、迷子の男の子を連れたツナ君と会っね。そこで、フゥ太君が気持ち悪いって…」
それはもしかしなくてもあの小説の話で。
もうリング争奪戦が始まる…。
数日はやい。
と内心焦りが出てきた。
しかし、それを悟られないようにフゥ太に顔を向ける。
『フゥ太、此処にはみんな居るから大丈夫。絶対1人にはならないから』
“フゥ太のせいでみんなが傷ついたわけではないから”
本当に言いたいことはリボーンが居るから言えない。
けど、少しでもましになったらいいな、と思いを込めて囁く。
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