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空を見上げて
標的4 その1

“カチッ”

時計が12時をさす。

病室にはお昼の放送らしきものが流れ出した。


「おっ、もうこんな時間か。それじゃ、俺部活行ってくるわ」


時計を見た山本が鞄とバット入れを持って、爽やかな笑みを残し病室から出て行った。

そう言えば黒曜編後といえばもうすぐ野球の大会。今は…

と視界に入ったのはカレンダー。

―――9月。マンガver.か。

実は私、マンガより先にアニメを見ていたためアニメの記憶の方がはっきりしている。


「私たちも、もう行くね」

「近くにできたパンケーキ屋さんへ行くんです!柚ちゃんもどうですか?」


京子達も鞄を持ち扉へと近づいた。

さて…、お金はちょうどあるし、ずっと此処にいるのも悪いか。

そう思い、返事をしようとすると私より先にリボーンが言った。


「コイツには聞きたいことがあるから、二人で行っててくれ」


へっ…!?リボーンが私に話―――いやな予感しかない!!

独りで身震いしていると、リボーンは二人の方へ歩いて行って耳打ちで何かを聞いていた。


「いや…言ってませんけど」


ハルのその答えを聞くとニヤリと笑うリボーン。

その顔を見てつい、頬に汗が伝った。


「それじゃあ、またね」

「See you laterです!!」


そんな私に気付かず二人は満面の笑みで出て行く。


「う、うん。またね」


ツナが頬を染め二人(主に京子)に向かって手を振った。

こうみると、いかにも中2って感じだな。

さっきのことも忘れてそうしみじみ思っているとボルサリーノのヒットマンが声をかけてくる。


「柚、其処に座れ」


小さな指が指したのはツナのベットの近くにある、窓に一番近い席だった。

唯一学生組で残った獄寺はそのいすの隣に座っている。

出来れば座りたくない席だが、リボーンに言われたことなので渋々座った。

私が座ったのを確認してから赤ん坊はツナのいるベットの上へ飛び乗り此方を向く。


『えっと…。何で私は引き留められたのかな?』


取り敢えず理由が知りたい。


「そうだよ。しかも柚ちゃんだけって…」

『私だけなのは仕方ないよツナ。』


ブツブツ言うツナに苦笑いを向けると口を閉じてくれた。

因みにあのあとツナ達も自己紹介をしてくれ、ツナて呼ぶことも許可してもらった。


「それで柚、これからどうするんだ?」




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