走り出す(伊月)
伊月→一年
朝礼での一件の後、教室に入る直前で足が止まった。
(…何て言われっかなー)
ま、やってしまったものはしょうがない。
怒られるのは承知の上だったし、後悔はなかった。
スッと息を吸うと、伊月はガラリと教室の戸を開けた。
途端にザワついていた教室が静まり返る。
皆の視線を一斉に浴び、若干引きつった顔で立ち尽くしていると…
拍手喝采が沸き起こった。
「やるなー、伊月!」
「かっこよかったぞ!」
「頑張れよー」
クラスメイトたちの笑顔に、思わず目を丸くする。
わっと群がってきた級友たちに囲まれながら席につくと、担任がやって来た。
「おら座れお前ら。ホームルーム始めるぞー」
出席簿を教壇に置いた担任と目が合う。
そういえば、俺があんな事をしてしまったせいで、先生は怒られなかっただろうか?
しでかしてしまったことに後悔は無いが、先生を巻き添えにするのは良くない。
そんな事を考えていると、担任がずかずかと歩み寄ってきた。
(やべ、叱られる?)
クラス中が黙って見つめる中、担任はピタリと伊月の前で立ち止まる。
シーンと静まる教室で、担任はニカッと笑った。
「元気があってよろしい!」
「は…」
そう言って伊月の頭をぐしゃぐしゃと撫でると、担任は豪快に笑って教卓に戻っていった。
教室も笑いに包まれる。
「…………」
ふと窓の外に目をやると、校庭には桜が咲いていた。
(早くバスケがしたいな)
はやる気持ちを抑えて、数学の教科書を取り出す。
あぁ
放課後が待ち遠しい
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一年の時の朝礼で叫んだ後の小話でした(^^)
あんまり面白くなくてごめんなさい。
みんなバスケ部を応援してるよ!
2012.04.14
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