並盛中の日常/ある男子生徒の観察記録
#06
取り合えず。
暇なのでケータイを出してみると。
…うぉ。最新機種!
しかも充電器、メモリーカード、ケース、ストラップと言った周辺オプションもキッチリ入ってる。
……見たカンジと違って、気配りさんなのだろうか?あの怖い人。
牛柄くんの事を『仔牛』と呼んでいた事を考えると、牛柄くんが小さい頃からの知り合いなのかも知れない。
登録してあると言っていた電話番号をチェックすれば、あの怖い人の名前も分かるかな…と思ったんだけど。
…ああ、本当に番号だけだ。
…名前登録してないし。
もう、いい。
氏名登録『怖い人』で決定!
ポチポチと登録作業をしながら、ふと思い出したんだけど。
ツナさん…沢田綱吉さんは今、イタリアに居るって言ってたよな…。
…イタリアと日本の時差って…どのくらい?
貰ったケータイで早速調べて見て、思わず。
「うわ…ツナさん、ゴメンナサイ」
と言ってしまった。
…時差がマイナス8時間ってことは、朝の5時だったってことだよね。
寝てるって、それは。
程なくして、先生と保健医が戻って来て俺は一応お役御免。
授業もちょうど終わる頃なので、教室に戻ると、ホラーな机はキッチリ綺麗になっていた。
クラスメート達は牛柄くんの容態を心配し、口々に質問をしてくる。
…うん。
お前ら、さっきまで全力で関わろうとしなかったがな。
ちょっとだけ、グレてるぞ、俺は。
まぁ、そうは言っても心配してるのを無下にも出来ないので、簡単に牛柄くんの怪我の具合と、先程のツナさんとのやり取りを教える。
ついでに緊急事態用のケータイのことも。
「あ…なるほど。さっきの人達はその為にきたんだ」
とクラスメートの一人が言った。
さっきの人、達?
あの怖い人以外にも居たって事だよな?
話しを聞くと、先ほど二人組の男性が来て、ランボ・ボヴィーノの所在を確認し、一人はそちらへ、もう一人はその机を清掃して去っていったとか。
あの怖い人の同行がどんな人だったか聞いてみると、背の高い、リーゼントの男性だったとか。
……見てみたかったなぁ…リーゼント。
綺麗に片付き、先程までの騒動はまるで夢だったのでは、と思いたくなるような、落ち着きを取り戻した教室でぼんやりとそう思った。
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気配りさんは草壁氏。
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