飴玉みたいな恋だから(sup27) 「………よく食べますねぇ」 「ん?」 「飴」 片付ける端からガサガサと新しい袋が開く。 パソコンをいじっていたスパナが怪訝そうな顔で振り返えった。 「糖というのは唯一脳のエネルギーになる。だから」 「必要不可欠なんですよね分ってますよ!!」 もう耳にタコだ。 「あんたは嫌いなのか?」 「え、いや……嫌いではないですけど」 この量はさすがに。 スパナは今日だけで飴を二袋空けてしまった。 脳へのエネルギー以前に身体に悪そうだ。 スパナが何かを考え込む。 「……例えば、」 言いながらスパナは綱吉を膝に乗せる。 綱吉にとってはよく分からないタイミングで入るスパナのスキンシップスイッチだが、不本意ながらも慣れてしまったそれに特に抵抗もしなかった。 綱吉のキャラメル色の髪と、スパナの金髪が触れ合う距離。 「嵐の守護者はタバコを吸う」 「はぁ」 「つまり、あんたが嵐の守護者とキスしたら、タバコの苦い味がするだろう」 「そーですね」 言葉の意味を深く考えずに綱吉はうなずく。 「あのアルコバレーノとキスすれば、エスプレッソの苦い味がするだろ?」 「………はぁ」 リボーンとキス?とんでもない想像にやっと綱吉が正気付く。 スパナは何が言いたいんだろう。 綱吉の困惑にも、スパナの表情は変わらない。 「ウチとあんたがキスするとどうだと思う?」 「そりゃあ……甘いんじゃないですか?」 綱吉の答えにスパナは満足そうに笑った。 「アンタもウチとのキスが苦いのはいやだろ?」 言うなり唇に押し当てられた柔らかな感触。 驚きに開いた口内に、舌が入り込む。 歯列をなぞられ上顎をなでられ暴れる綱吉をいともたやすく押さえこむ。 好き勝手に蹂躙されてからまって、その、 「ふっ、ぅ」 「な?分かった?」 力の入らない身体をスパナの痩身に支えられながら、綱吉は盛大に顔を歪めた。 (あぁもう死んでしまえばいいのに!!) [*前へ][次へ#] |