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羊を数えるのは13まで (mam27)


捏造未来








冷たいシーツが肌に気持ち良くすべる。

冴え冴えと、月が窓から部屋を照らしていた。
シーツの白に反射して、仄かな明かりは新雪に似て煌めいている。


その光景を視界の端に捕らえながら綱吉は隣に手をのばす。

冷たい。

意識がパッと覚醒した。

「マーモン?」
隣で寝ていたはずの子供の名前を呼ぶ。




「ツナ、ヨシ……?」


か細い声は部屋の隅から。
身体を向ければ闇に溶けるように蹲る子供の姿が。

「どうしたの。どうしてそんな所に居るの?」

いつもの声音より更に優しく問う。


それにもかかわらず、マーモンは身動ぎもせずに綱吉を見つめる。
声は光沢を放つシーツに吸い込まれていった。



「ツナ、シ」

ブラインドを透かした車のヘッドライトが部屋を一瞬照らす。
そして、光を反射した頬を伝う一筋の





綱吉は、驚いた様子など微塵も見せずに、ただ慈父の顔で両手を広げた。



「おいで、マーモン」






顔を歪めて飛び込んで来た子供。その身体は赤ん坊の頃とは比べ物にならない。
それでも綱吉は慣れた手つきでマーモンをあやす。

嗚咽に揺れる小さな肩。夜着が涙を吸って冷えていく。

「よしよし、どうしたのマーモン。大丈夫だよ」

ゆっくりと、露草色の髪を撫ぜてやる。


大丈夫だよと繰り返し。

「怖い夢でも見たの?大丈夫だよ。みぃーんな夢だから」

腕の中の子供が安心するまで。


「怖い夢なんてまた寝たらすぐに忘れちゃうよ。だから、安心しておやすみ……」






キラキラと、月光に光るシーツの上、綱吉は何度も繰り返した。
マーモンの寝息が聞こえるまで。












マモがここまでツナにべったりだったらかわいいなーっていう(アオイさんマーモンのこと何だと思ってるの?)
タイトルby水葬



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