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生き害 (8027)






友情、だとか。
恋情、だとか。

そうかと尋かれれば、それは違うものだと思う。

この世でいちばん甘美な、腐肉の味をしたそれ。






「ツーナ」
「うわぁっ!」
「驚いたのなー?」
「当たり前だよもう!」
ぷりぷりと怒る君。

信頼され、預けられた背中。
無防備な君の心。



「なぁツナ」
「ん?」

見上げてくる琥珀色。
舐めたら甘い飴玉みたい。
とろりとこぼれる不可視の蜜。


「俺のこと、好き?」


きょとんとして、琥珀色がくりくりと光を受ける。
かわいい。すごく。

「すきだよ?」




ツナ、ツナ、ツナ


腕の中の体温
細いからだ

至高の享楽、
君がいるということ

それだけが。




欲しいのは君だけ。
君からの
生存許可
存在理由
信頼
笑顔






(依存する、ということは腐肉を食らうように忌まわしいが、何故かこの上なく甘美でもある)















タイトルby濁声



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