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この心臓を蝕むのは (re27)


捏造未来
ツナは死んでます。
ツナの息子がいます。
リボーンは生きてます。
ツナの息子は家斉(イエナリ)くんです。
それでもいいって方はどうぞ↓


















「ナリ、早くこい」

スーツ姿の死神が呼んだ。


そのからだは、スーツ越しに分かるほど神経質に細い。

痩せた。

タバコの量が増えた。

より強い酒を、胃に叩き付けるように飲むようになった。


家斉がそれを指摘しても、「ガキが」と言われるだけだろうけど。



父が、幼子にするように彼に食事をさせていた光景を覚えている。

彼はいつだって憮然として、でもそれを断ったことはなかった。



「ねぇ、リボーン」

「何だ」

「ジェラート、食べに行かない?」


誘えば、切れ長の瞳が見下ろしてきて「ハッ」と鼻で笑われた。

ギラリと底冷えする光が、漆黒の奥に宿っている。


死神はそのまま前に向き直り、家斉を置いて先に行ってしまう。



父は彼をして可愛いところもあると言っていた。


父を辟易させていた彼の茶目っ気は、もう長いこと見ていない。



「リボーン、待ってよ」

一定のリズムで、革靴が石畳を打つ。

未発達な身体に、そのペースは少し早い。


付いて行くのに必死なのを隠し、何でもないような口調で前を行く背中に声をかける。


「ねぇリボーン、雲雀さんは元気かな?そろそろお兄さんにも会いたいね。獄寺君は――」

バンッ
殺意すらこもった手が、家斉の身体を壁に押し付けた。

檻のように細い腕に囲われる。


「ナリ、その薄ら寒い真似をやめろ」

「なに言ってるんだよリボーン、真似なんて」

「やめろと言ってるんだ」

眉根を寄せたリボーンが、掃き捨てるように言い放った。

「お前は、ツナじゃない。」


あぁ、張られすぎた糸のようだと思った。

漆黒に覆われた奥ではじくじくと血が滲んでいるのが分かるのに。
糸を緩めることも、傷を癒すことも出来そうにない。

むしろ、家斉の存在自体が傷口を抉り続ける。




父が死に、父の友人達は次々にボンゴレを離れて行った。

ただ、この死神だけが残って。



父が、自分の幼い息子と同じぐらいに、天の邪鬼でプライドの高い死神のことを心配していたのを知っている。

父は、
死神に家斉を
家斉に死神を
託して、死んだ。



(あぁけど父さん)

オレには無理だ。


欠けてしまった完璧な三角形

脚の欠けた三脚の上に、何かが置ける訳がない。




(知ってるよ。リボーンにとって、オレには父さんの息子ってことしか価値がないことくらい。)






タイトルby花瞼


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あきゅろす。
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