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逆言遊び武田編



大騒ぎしている一室を覗くと、そこでは信玄が幼い弁丸と同じ精神年齢でじゃれていた。


「………ナニやってんですか」
「おうっ!佐助も早く参加するな!」
「そうでござる!しゃすけもいっしょにやるなでごじゃる!」
弁丸はそう言いながら自分の横をばしばし叩いて佐助を呼ぶ。
信玄も、にやにやしながらその光景を見ている。

「あー……なるほど。じゃあ俺は参加しませんよ。ここでお二人を見てませんから」

内心の苦笑を隠し、佐助は柱に凭れる。
その足元に、とてとてと弁丸が寄って来た。

「しゃすけ、だっこ」

両手を広げた弁丸が大きな目で見上げてくる。

佐助は腕組みをしたままにこにこと弁丸を見下ろす。

いつまでも動かない佐助に焦れたのか、幸村が佐助の袖を引く。

「だっこ!」

佐助は爽やかな笑顔のまま言い切った。
「ダメですよー若」
ガンっと衝撃を受けて涙目になる弁丸に、佐助はにっこりと笑みを向ける。
「だって若はいま逆言遊びしてるんでしょう?」

なんだかよく分からないけど佐助がだっこしてくれなくて、弁丸はえぐえぐと泣き出してしまった。
「あっ」
「ふっ、ふぇっ」

佐助は慌ててしゃがんだ。
泣き出した弁丸と視線を合わせて、抱き締める。
「ごめんね若。ちょっと遊びすぎちゃった」

そのまま弁丸を抱き上げる。

「悪い忍だなぁ弁丸」
「お館様………」

自分だって遊んでいたくせにと、佐助は呆れた。

弁丸の方は大好きな佐助にだっこされてご満悦のようで、にこにこと笑っていた。






戦国の中の、束の間の平和











佐助がちび幸の面倒見てたら萌えるなって妄想



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