青空の秘密 (佐幸) 「あのさぁ旦那」 「何だ?」 幸村が佐助を見上げる。 佐助は塀の上で片胡座をかき、ぼんやりと空を見上げていた。 それに気付いて、眉を顰めるような違和感が過ぎった。 自分がこんなに近くにいるのに、佐助の視線が別の所にある。 幸村にとって、佐助の視線が己に向いていることは、至極当たり前のことだった。 部下として、 また、兄のように親のように、 幸村が前に在るならば、見守り。 幸村が敵を睨めば共に前を見据えているのだと。 知っていたから。 「旦那?」 「あっ、あぁ!何でござる」 「何ってワケじゃないんだけどさ………どしたの旦那。顔真っ赤だよ?」 佐助にしてみれば何の気なしの指摘だったが、それを受けた幸村は層顔を赤くする。 「旦那?」 佐助の目が、幸村を見る。 穏やかな、瞳が、 …………………………。 「は、は、は、破廉恥いぃいいいいいぃいっ!!」 絶叫しながら、幸村は戦場もかくやというスピードで爆走して行った。 「え………何が?」 後にはただ、呆然とした忍だけが残された。 なんて破廉恥なっ!! よ、よりにもよって空を羨ましく思うなどっ!あ、挙げ句に佐助が某を見てうれ、嬉しいなどとおぉおおおおぉっ!! ついにやっちゃったBASARAネタ 幸村の一人称が某か拙者か迷う件← 書き始めとは全く違うネタになった不思議 [次へ#] |