[携帯モード] [URL送信]
拍手 (正月Ver.虹27)


パラレル注意!
皆は高校生!




甘やかなぬくもりが全身を包む。
これに勝る幸福はこの世にない。
弛みきった綱吉の顔面に強烈な蹴りが跳んできた。
「いったーっ!!」
「正月早々なにやってんだテメーは」
見上げた先にいたのは、秀麗な美貌で凶悪に笑う幼馴染みリボーンだった。

「寝正月。俺はこたつむりになって過ごすんだ!」
「なに言ってんだちんくしゃ」
頭だけこたつ布団からだしてぎゃあぎゃあ喚く綱吉に、リボーンの対応は冷たい。

新年っからこんな男前を見れてラッキーと他の人間なら思うだろうが、ガラの悪いこの男の本性を知っている綱吉としては喜べない。

リボーンは無敵のジャイアニズムを発揮し、ぞんざいに外を指差す。
「初詣、行くぞ」
「は、はぁあ〜っ!?俺はこたつに」
「い、く、ぞ」

ずるずるこたつから引きずり出されながら、今年もこの傍若無人な男に引きずり回されるだろうなぁ…と直感した。

鈍くて怠惰な綱吉に、一緒に初詣に行きたいツンデレな男の心理が分かるはずもない。




「あ、」
「お、ツナじゃねぇか」
リボーンに引きずられて初詣に行く道で、見慣れたキラメキを発見した。
「コロネローあけおめー」
「おぅ!明けましておめでとうだコラ!……何だリボーンも一緒か」

高校に入って知り合った熱血純真陸上部のコロネロだった。
正月だというのにジャージだ。

「年賀状配達お疲れ様ー」
「ツナもバイトすりゃよかったんだぜコラ」
コロネロは陸上部仕込みの駿足で絶賛年賀状配達のバイト中だ。

「俺には無理。あっ、もうすぐ記録会なんだよね。これから初詣だから御守り買ってきてあげるよ」
「マジか!」
「うん」
「はっ。コイツはそんなもんなくても頭まで筋肉だから大丈夫だろ」
「なんだとコラ」

小柄な綱吉の頭上で長身のイケメン二人が睨み合いを始めた。

とりあえずほっとこうと思った綱吉は、陸上部エースの少年が走る前にカバンに付けた御守りを見て頬をゆるめているのを知らない。






[*前へ][次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!