拍手 (クロマカ)
「ねぇっクロナ!」
「っ!!」
クロナが振り返った途端、生暖かく湿った何かがクロナの顔を縦断した。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!?」
クロナはマカがびっくりするぐらい素早く部屋の隅へ避難した。
マカが手に抱えていた子猫を抱き直す。
「クロナ猫嫌いだった?ウチの居候と違ってフツーの猫だよ」
薄茶色の、マカの髪と同じ子猫。
クロナは小さな子猫がまるで恐竜であるかのように怯えている。
「だ、だ、だって、そんな小さくて可愛い生き物、どう接したらいいかわからないよ…っ」
「大丈夫よ、クロナはもう色んなものとの接し方覚えてきたんだから!応用だよ」
マカが子猫を床におろし、撫でてごらん、と言った。
子猫は何故か迷い無くクロナの方へ
近付いて来る子猫にクロナの頭はテンパる。
(ぉ、応用…ってことは、似たものと一緒だから……っ!!)
似たもの。小さくて、可愛いもの。
マカはお日様みたいな笑顔でクロナを見守っている。
小さくて、可愛いもの、可愛い
「あ……っ」
子猫がクロナの足元に辿り着いて一つ鳴いた。
小さくて、可愛いもの
(マカみたいだ。)
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