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話題の尽きた日曜日 (APH/香氷)

現パロ








肘を置いて寄りかかっているベッドがぎしりと軋んだ。

色白の横顔を眺めながら香が口を開く。


「まだご機嫌ナナメ?」
「当たりまえだろっ」

猫の威嚇そっくりに怒鳴られ肩をすくめる。

「どーしたら機嫌がなおるんでしょー」
「知らないよっ」
「…てか何でそこまで怒るのか分かんないけど。家族ならフツーでしょほっぺちゅーぐらい」
「………」

アイスは頑として振り返らないことにしたらしい。
香は一つため息をつく。

「アイスが怒ってんのはさ」

眺めていたブレザー越しの肩のラインがやけに薄くて。不健康だなと少し思った。


「俺が下心持ってアイス以外に触ったと思うから、的な?」


上半身をベッドに預けきったままアイスを眺めるも、リアクションはない。


「分かってないなら言っとくけど」


起き上がって、距離を詰める。
そのまま腕に抱き込んだ。

「俺、別に菊さんには勃たないよ。」





やっとこちらを向いたアイスは、心底唖然とした顔をしていた。
そして一瞬後には真っ赤になった。

「そういう話をしてるんじゃないっ!!」
「じゃあどういう話?」
「僕はあくまで、僕のものが――、」
「アイスの?」


それは子供が自分のおもちゃを勝手に貸した親をなじるような。
僕のなのに。
どうして。


「なんでもないっ!!!」

自分の内省の子供っぽさにアイスは急いで口をつむぐ。

香は拗ねたように口をとがらせ、顎をアイスの肩にのせた。

「香、重い」
「アイスがそうくるなら俺も結構言いたいことあるけど?」
「は?」
「別に誰と友達になっても構わないから、いっつも俺のこと考えててよ」
「………ばっかじゃない」
「わりとマジ。アイスが嬉しそうな顔してるときに俺のこと全然考えてないとか、結構ムカツク」

「……………」



アイスの指がのびてきて。
頬を引っ張る。

「ひはい」
「香が僕のことずっと考えてられるっていうなら、考えてあげる」

勝ち誇ったような笑みを浮かべたアイスは乱雑に指を離した。



(楽勝じゃね?)

無表情の下でそう呟いた香は、手始めに揃いのアクセサリーでも買ってこようかと考えていた。


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