[携帯モード] [URL送信]
被弾した心臓のレプリカ (松慶)






小鳥、小鳥
羽をもがれて地を這う小鳥。
鳥籠を矮小な世界と知らずに住む小鳥。

それを強いる人の、なんと醜いことか。


松永はうっそりと笑った。






あのこどもは小鳥に似ている。










「あ、松永さん猫だ」
「……」
「野良かな」


薄汚れた猫が、媚びるように鳴いた。


「猫が好きなのかね」
「うん」
「意外だな」
「なんで?」

こどもが、大きなからだを少し丸めるようにして松永を見る。

「小鳥は猫にいじめられるだろう」

「なにそれ」



きょとりと目を丸くするこどもは、松永から見れば幼く、浅く。


「卿は人の悪意の底を知らぬな」


「松永さん…?」


「私が連れて行ってもいいのだがね…」








小鳥、小鳥



羽をもがれて、籠で歌う愚かな小鳥











タイトルby水葬
鉈谷様のリク
努力は…努力だけは…っ!←




[*前へ][次へ#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!