被弾した心臓のレプリカ (松慶)
小鳥、小鳥
羽をもがれて地を這う小鳥。
鳥籠を矮小な世界と知らずに住む小鳥。
それを強いる人の、なんと醜いことか。
松永はうっそりと笑った。
あのこどもは小鳥に似ている。
「あ、松永さん猫だ」
「……」
「野良かな」
薄汚れた猫が、媚びるように鳴いた。
「猫が好きなのかね」
「うん」
「意外だな」
「なんで?」
こどもが、大きなからだを少し丸めるようにして松永を見る。
「小鳥は猫にいじめられるだろう」
「なにそれ」
きょとりと目を丸くするこどもは、松永から見れば幼く、浅く。
「卿は人の悪意の底を知らぬな」
「松永さん…?」
「私が連れて行ってもいいのだがね…」
小鳥、小鳥
羽をもがれて、籠で歌う愚かな小鳥
タイトルby水葬
鉈谷様のリク
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