おもいで
春先のことだ。一人の少年が住宅街を走っていた。
「ヤバイー、新年度早々遅刻だー!」
両肩から提げたリュックを大きく左右に揺らしながら、あまり大きくはない体で彼は走る。
「うー……ああ〜……仕方ないっ!」
彼の前に続く道は三つに別れていた。二つは彼が走ってきた道とあまり変わらない道幅で、残りの一つは少々狭い。彼は分岐点に立ち、右往左往したあと、表情を決め狭い道を選び入っていった。
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