SPECIAL
ちょうど真冬の頃。
髪の赤い二人の少年がマフラーに上着、手袋をして歩いていた。
「さみーなあ……」
「さむいねえ……」
冬の寒さにしかめ面をする周りの人々と違い少々笑顔のその二人は、肩を並べ歩いていた。
「シャキッとするな、冬の朝は」
「そうだねえ、起き抜けの寝ぼけまなこには冬の突き刺さるような寒さはいいねえ」
「でもなあ……」
「ねえ……」
「東京の冬は、まだなあ……」
「そうだねえ。やっぱり北日本のねえ……」
「なあ……」
「……帰りたいねえ……」
「……ああ」
二人は高校へつくと、部室へ向かった。
「さ、今日も部活だ!」
「うん!」
髪の赤い二人の少年は真冬の寒さの中、少々笑顔で歩いていた。
二人の顔はとてもよく似ている。
恐らく一卵性の双子であろう。
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