弟と妹と、


 彼は冬の寒空の下、リュックを背負い、首にはマフラーを巻き、手袋をした手にはスーパーの袋を持って歩いていた。彼が半開きにした目で見る風景は白一色で、吐く息も白い。髪も少しずつ白の面積を広げていった。

「はあー……」

 彼がその息の白さを確かめるように多く息を吐くと、それまで以上に目を細めた。そしてスーパーの袋を持っていないもう一方の手で頭の上の雪を払った。



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あきゅろす。
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