二人の秋
二人は川辺の木々の下に立っていた。ちょうど夕陽の紅が眩しく暮れゆく時間。
「大丈夫なのか? 優。ここからだと家に帰るの、結構かかるだろう?」
優と呼ばれた少年は整った顔をしている。眉は短く目は少々鋭い。そして後ろ髪は少々長い。
「大丈夫だよ、航。今日は父さんも母さんも帰りは遅いらしいから。気付かれて怒られることはないと思うよ」
航と呼ばれた少年も整った顔たちをしている。眉は強い意思を表すかのごとく切れ長で、髪はさっぱりと短い。
少々幼さの残る二人の少年。
それは少し懐かしい、彼の記憶……。
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