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Sadistic Honey 04
光秀くんは相変わらずクールな感じ、クールというかドライというか(なんかビールみたいだ)なんとも形容し難い感じなのです。慶次は助けてくれないし、政宗くんは邪魔(?)するから光秀くんの機嫌を損ねるし、流石に高校生の集団を送迎するのは回りの目が痛いんだよ、気付いてて言ってるのかそうじゃないのかは知らないけど、この日は学校まで迎えに来てと慶次からメールが入っていた。(私は非番だった)

「‥で、助手席、」

メンバーは慶次、光秀くん、幸村くん、政宗くん‥あ、嫌な予感がする(デジャヴ)

「honeyの隣は俺だ!」

「顔洗って出直しな!ねぇちゃんの隣は渡さねぇよ」

「‥そ、某‥たまにはユエ殿の隣がいいでござる!」

「(幸村くん!?珍しい)」

「‥‥‥」

一言も発しないのは彼氏の光秀くんだった。会う度に隣に乗ってるから良いのかな?と首を傾げていると、パチリと目が合った。

「‥みつひ、「ユエ?」

静かに落とされた声に振り向けば、スーツ姿の元就くんだった。私は目を丸くして、うわわ!と手を振って近付き、抱き着いた。

「元就くん!うわー久々だね!」

「‥抱き着くな、鬱陶しい」

「ひどいなー!‥てかこんなところで、どうしたの?」

「どこかの馬鹿が我の車のメンテナンスをすると言って聞かなくてな、暫くはタクシーかバスなのだ」

「チィちゃんも相変わらずなんだねぇ‥あ、狭くても良いなら乗ってく?慶次は荷台に詰め込むし」

後ろからひでぇと声が上がる、あとは必然と後部座席決定だった。私の決めたことだから文句は言わない良い子達ばかりだし、渋々ながらに乗り込む。

「元就くんも駅まで?」

「うむ、しかし良かったのか?」

「うん、まぁ大丈夫でしょ」

ヒソヒソと話をする私たちの後ろでは慶次が頬を膨らませているし(バックミラーで見えたのだ可愛いな!)光秀くんは終始静かにしていてなんか不気味だった。具合が悪いのかなと思ったけどそうでもないようで、あれ、なんでだ?

駅のロータリーを回ると、ぞろぞろと降りていく。荷台を開けてやれば、慶次はぐったりしていた。三人で遊んでくるからとニコニコしていて、ああ可愛いななんて頭を撫でてやる。

「慶次‥あまりおそくならないようにしなさいよ?」

「あー、うん、大丈夫だって」

「さんにん‥三人?え、誰かは抜けるの?」

「え?ねぇちゃん光秀とデートなんじゃないの?」

「は?」

二人で顔を見合わせて首をかしげる。あれ、今日は非番だけど別に光秀くんと放課後を楽しむ予定ではなかったはずだ。制服でデートするなんてなかなか無いことだったから‥

「‥うん、うん?」

「ユエ、礼を言うぞ」

「あ、うん、元就くん!またチィちゃんと三人で食事でも!」

「‥‥そうだな、」

苦笑した元就くんはさっさと駅の中へ入っていく。さて、と車を見ると、助手席に光秀くんが乗っていた。(ちょっぴり吃驚した)


 -2-

「‥今日、何かあった?」

「いえ、今日、ユエさんが非番だと聞いたもので」

「そうだよね、私‥言わなかったから」

どこか行く?と訊ねると、最近出来たカフェーを指名してきた。よしきたあそこは調査済み‥とハンドルを切る。

「てっきり」

「はい?」

「助手席争奪戦に参戦すると思ったけど」

「私はいつでもユエさんのとなりに座れますから」

「うん、静かだったから具合悪いのかなって」

「ふふ‥可愛いですねぇ」

すす‥と太股を逆撫でされた!ぎゃっ、と情けない声を上げてしまったじゃないか。ブレーキとアクセル間違えたらどうするんだと睨んだけど光秀くんには“睨む”は効かないのだ。

ユエの 睨む こうげき!

しかし こうかは ないようだ。

‥みたいなね。

「ユエさん」

「はい?」

「何か失礼なこと考えてましたね?」

「は?」

つねね!と頬を摘ままれる。いはい!(痛いよ止めてよ!)と抗議しても止めてくれなかった。あれ私の方が年上だよね?権限や威厳って何処に忘れてきちゃったのかな?あれー?

「ユエさん?」

「うう‥挫けそう、」

泣いてしまわれるんですか?と何やら妖しい笑みでこちらを見つめていた。泣いちゃいけないと直感して「泣かないよ!」と頬を膨らませる。私が涙目になると光秀くんが悦ぶ気がする、変態だと慶次が言っていたのを実感したから迂闊に軽率な行動は控えようと決めていたのに。

「残念、」

「(光秀くん、制服着てても変わらないんだから)」

慶次達と同じ制服を着ているのに、着崩していないためかなんなのか真面目そうに見えるのに中身はこんな変た(ryだなんて、もしかしたら歴代の彼女達はそのギャップに付いていけずに別れたりしたのかな?

「ユエさん?」

「光秀くん、一度部屋に戻ろうか、なんか真面目に犯罪者な気分になってきちゃった」

ごちゃごちゃする頭を誤魔化すように苦笑して、ウィンカーを左に出す。この通りから光秀くんのマンションはすぐそこ、そして着替えだけなのに私まで連れられてしまった。

「下で待ってるよ?」

「いえ、着替えだけでは済まなそうなので」

「宿題でも思い出した?」

「‥天然って苛々しますねぇ」

つね、と頬を摘ままれる。引き摺られるように部屋に招かれて、玄関口でギュッと抱き締められてしまった。

「みつひっ‥!」

「ふふっ‥ユエさんはいつも、可愛いですねぇ」

「やっ‥ん」

ねっとりと蛇が絡むようなキスに腰が砕けそうになる。いつもいつもこうやって光秀くんには勝てない、悔しくはないけれど好き勝手にされてしまうのは年上としてどうなのだろうかとブラのホックを外された時点で我に返った。

「な、や、なにしてっ」

「野暮なことを‥」

「きがえ!きがえしにきたんだよっ」

「着替えだけでは済まなそうだと、先程言いましたよね?」

「う‥あっや、」

「嫌ですか?」

「嫌じゃ‥ない、でも、シャワー浴びてないし此処玄関だよう」

シャワーは今さらだと却下された。移動した先はソファで、私が光秀くんを跨いでギュッとしてくれたまま、行為は続いた。

「‥ユエさん」

「も‥もう、知らないっ‥光秀くんの発情期っ」

腰が痛い、光秀くんの体力は一体何処から湧き出てくるのだろう、それとも私が年なだけなのだろうか?

「そうですね、発情期でしょうね」

「み、認めないでよ‥」

「しかし‥それは相手がユエさんだからですよ」

ギュッとされて幸せだけど意外にも光秀くんは甘えっこだと知ってしまった。それすらも可愛らしいと思ってしまうのは末期なんだろうなと自嘲して、兄弟なんかではなく恋人気分に浸ることにした。

「‥光秀くん?」

「もう一回、しても‥よろしいですか?」

「うん?‥うん、いいよ」

ゴムを変えて、もう一度と言われてしまっては--断る理由もないし--受け入れるしかない。今度はきちんと服を脱がされて、初めてシた時のように優しく優しくゆっくりとした行為に没頭してしまった。

‥‥‥私が。


 -3-

「ユエさん?」

「んー‥」

行為も終わり、いつの間にかウトウトしてしまったらしく窓の外は薄暗かった。慌てて飛び起きると腰が痛い、思わずベッドに沈むとクスクスと笑い声が耳に入る。いつの間にベッドに移動していたのかすら覚えていなかった。

「‥光秀くん、お願いだから、その‥シたいときは言ってよ」

「?」

「心の準備がね、追い付かないの!」

「ああ‥そんなことですか」

そんなことじゃないよ!と拗ねたように布団を被る。なんだこれ、まるで私が子供みたいじゃないか。

「ユエさん?」

「(いやだな、子供はどっちよ)」

「ユエさん、」

「(でも光秀くんとするの気持ちいいし‥でも不意打ちは本当に勘弁していただきたいんだよ!)」

「‥‥ユエ」

「ひぃや!ななな、なんでしょう?」

呼んでいたらしくギュッと抱き締められて我に返った。光秀くんはスリスリと甘えるように頬擦りして悦っていた。やはり変態だったかと思いながら頭を撫でてあげる。条件反射だ。

「光秀くん、」

「はい?」
「好きよ、大好き」

「ッ‥」

キョトンとして、すぐに頬が赤くなる。初めて赤面しているところを見たためこっちが吃驚してしまった。あの光秀くんが!?

「‥照れてるの?」

「‥ユエさんが、滅多に言わないことを言うからですよ」

「うわわ!嬉しい!いつも涼しい顔しかしないからたまには崩してみたかったんだ!」

敵いませんねぇと頬にキスされた


光秀くんが慶次みたいに年相応な反応をしてくれると本当に楽しくて嬉しくて、もっともっと知りたいよ、怒らせたり泣かせたりしてみたくなっちゃうよ!(あれ私もあぶない人になってない?)


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