01 「そ、某と‥その」 「‥‥」 いま先程、告白された。相手は真田幸村くん。 「あの、私、クラスメイトだけど一つ年上だよ」 「関係ござらん」 「‥あ、そう」 「‥‥返事を、貰えぬか?」 真剣な眼差し、熱血漢という言葉は彼のためにあるのだろう。私は彼の友達のつもりだったのだけど、どうやら、彼にとって私は恋愛の対象になってしまっていたらしい。 「‥いいよ、幸村くんが私を好きなら」 「ユエ殿は、某を」 「‥好きだよ、でも、ほら私達、友達だったでしょ?いきなり恋愛の感情になるなんて‥ちょっと難しいかな」 苦笑して、肯定でも否定でもない返事でごめんねと言えば、幸村くんは少しだけ眉を潜めた。 「‥では、これからユエ殿を俺に惚れさせてみせる!」 「うん、宜しくね」 だって、恋愛なんて分からないんだもの。幸村くんは大切な人であってそれ以上でも以下でもない。 「‥で、」 「?」 「幸村くんと登下校するのは今まで通り変わらないよね」 「‥‥!」 「‥寄り道、する?」 「そうでござるな!」 放課後に幸村くんと行くなら甘味屋だろうか、そしてゲーセンでプリクラを撮って、近くのクレープ食べて‥ 初デェトはなんら変わりない日常 なんかいつも三人で遊ぶのと変わらないよね? (相手は幸村くんだから、まぁいいか) [次へ#] [戻る] |