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(三成/学パロ)
三成くんが風邪を引いたらしいです。
カノジョとしては心配で、独り暮らしだしお見舞いに行こうと大谷さんと今三成くんのお家に向かっています。ゼリーとか食べるかなとコンビニに寄ってあらかた買えば大谷さんに「そんなに三成は食べぬ」と言われてしまいました。

「ユエは過保護よ、カホゴ」
「過保護で結構です、道案内よろしくお願いします」
「我を信用するか、逆方向に向かっておったらどうするつもりよ」
「大谷さんはそんなことしません」
「やれ、信用されておるなァ」

とあるアパートを指差して「ここよ、あとは頼む」なぁんて大谷さんは踵を返した。あれ、一緒に行かないのかな?

「行かないんですか?」
「ユエに任せる、三成を頼み申す」
「はい!必ずやお粥を食べさせます!」

まるで命じられた家臣のように言えば大谷さんに頭を撫でられた。触れるのが苦手な大谷さんなのについ手が出たようだ。えへへと笑えばパッと手を離される。

「みーつーなりくーん!あーけーてー」
「……わめくな」
「はいはい、病人はベッドへお願いしますね。キッチン借りるよ」
「刑部はどうした」
「大谷さんなら道案内してくれて帰ったよ、カノジョとしてのお務めを邪魔したくなかったんじゃない?」

刑部め、なんて呟いて三成くんは素直にベッドに入った。キッチンに立てば本当に使っているのか分からない程に生活感がなくて取り合えず、小さな鍋があったからレトルトのお粥を投入する。ネギを刻んで卵を落として弱火でコトコトと煮込めば立派なユエお手製のお粥の完成だった。

「はい、熱いからね」
「いらん世話を」
「あ、カノジョの務めを忘れてた!」

ここはふぅふぅしてあーんだろう。私はスプーンに少しのせてふぅふぅすると三成くんにスプーンを差し出す。訝しげに私を見てそれでも口を開けてくれなかった。

「味見はしたよ、レトルトだからあまり味見の意味はなかったけど」
「味の心配などしていない」
「じゃあ食べてよ、せっかく作ったんだし」
「頼んでいない」
「三成くんの為に作ったのに」
「………」
「つくったのに」

ションボリしていれば、貸せ、とお椀とスプーンを取られ三成くんはゆっくりと食べ始めた。私は嬉しくて「りんごすろうかな」と言えば「そんなにいらん」と言われてしまった。

「美味しい?」
「不味くはない」
「まあ、レトルトだからね。でも愛情たっぷりだから!」
「そうか」

弱っている三成くんは張り合いがなくてなんだか寂しさを感じた。時々咳き込んでいるところを見ると相当辛いのだろう、私はそういえば風邪は移せば治るという漫画だかなにかの知識を思い出して食べ終えた三成くんにズイッと近付く。

「近寄るな、移るだろう」
「風邪は移せば治るらしいの、だから、」

チュッとリップ音

そういえば、付き合ってまだキスをしたことがなかったなと私は真っ赤になった三成くんを見て思った。



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