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(三成/現パロ)*
今日は雨だった。
二人して走り濡れながら帰って玄関に駆け込み、はあはあと行きも絶え絶えに壁にもたれ掛かった。

「あーあ、濡れちゃったね」
「そうだな、しかし通り雨だったようだ」
「ええーなんでさー」
「私に言うな」
「はぁい、三成くんさっさと脱いでシャワー行きなよ」
「ユエが先に行け、私は後からで良い」
「そういわずに…あ!一緒に入る?」
「馬鹿なことを言うな、さっさといけ」

はいはいなんて二つ返事すれば三成くんに睨まれた。濡れちゃってて風邪引いたら看病が面倒だから言ったのがバレちゃったかな?

「はぁい、ダーリンお待たせ」
「貴様の頭の中は分からん」

濡れたままの三成くんは私を一瞥してシャワーに行ってしまった。ショックである。まあ、何も期待してはなかったのだがたまにはハニーとか伊達くんみたいに呼んで欲しかったりするわけだ。しかしながらそんな三成くんは三成くんじゃない気がする。私はいそいそと寝室に向かい衣装部屋の扉を開ける。この日のために某雑貨店で買った衣装があるのだ。スタスタと三成くんが寝室に向かってくる足音がする。私はベッドに腰掛け彼を待つことにした。

「き、っ貴様!なんて格好をしている!」
「えへへ、今日のために用意しました!」

私が着ているのは可愛らしい桃色のベビードールだ。三成くんの好みは知らないけれどたまには私からお誘いするのもいいかなぁと思っての行動だった。お気に召したのかは分からないが今の三成くんは首筋まで真っ赤だった。私はその顔が可愛らしくて大好きなのである。

「服を着ろ!」
「えー、可愛くない?似合ってない?」

立ち上がり、うろうろと三成くんの周りを歩いてアピールする。私からそういうお誘いは無理なのだろうか、今日はそういう気分なんだけどなぁ

「っ、似合って、いる」
「ほんと!?嬉しいなぁ」
「だから、服を、だな」
「今日は、その、お誘いなんだけどなぁ、察してよ三成くん」
「……」

まじまじと見られると恥ずかしいんだけど。三成くんは何を言っているんだと言わんばかりに私を見つめていた、もしかしたらはしたないのは嫌いだったのかもしれない、しかしここまできたら引くに引けなかった。

「し、シよ?」
「…その為の布切れだったのか」
「ぬ、布切れって!全裸より恥ずかしいんだからねコレ!」

ふわりと浮遊感を感じたかと思ったら三成くんの顔が大変近くにあり、押し倒されているのだと理解するのに時間が掛かった。

「途中で待ったは聞かぬからな」
「言わないよ、三成くんは乱暴しないもん」
「ユエに乱暴を働くなど、私が許せない」
「うふふ、優しいね三成くん」

たまにはされてみたいかもしれないけど、きっと私は泣いてしまうだろう。三成くんしか知らないから比べるところはないけど、きっと、三成くんは優しいのだ。気を使ってばかりで疲れないのかなと時々思うんだけどね。

「それにね、そろそろ、欲しいなぁって思ってさ」
「何がだ?」
「あかちゃん、私と三成くんの」
「っ、そうだな」

キラリと光る薬指の銀色は三成くんみたいだと思った。結婚して半年になる、子供のことも考えなければと両親に言われたから--それだけではないが、やはり、二人の愛の結晶を授かれるなら欲しかったりするわけだ。

「三成くんに似た子がいいなぁ」
「ユエに似た方が可愛らしいだろう」
「ふふ、だから、今日からコレは要らないね」

ベットサイドの引き出しに入った避妊具を指差せば三成くんはまた頬を染めた。真っ赤になった頬にキスを落とせば、三成くんは私を抱き締める。どちらに似てもきっと二人はその子を愛せるだろう、それだけは自信をもって言えることだった。

甘い蜜月

三成くんは「優しくする」と言って私の首筋に顔を埋めた。


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