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02
「ぬしさん!」「走ると転ぶぞ」

森の中を見て回っていた。果実の在処や動物や魔物の集まる場所、景色の美しい場所など案内されながら知らない事を知る喜びにあれはこれはと指差して質問していた。

「‥たりない、のかぁ」

「維持するのに精一杯だ、しかし‥思ったよりも被害は少ない、レッカリィザのおかげかもな」

「レキ‥の?」

「この森のことを彼は知っている、ユエの事を思い攻撃が最低限でとどまっているのかもしれぬ」

「レキ、優しくないよ、私と戦っても、話をしても‥聞いてくれなかった、レキ、なんであいつの味方なんて‥」

「こらこら、そんな顔をさせたくてこんな話をしたわけではない‥生きていれば話も出来よう、何か理由があるのかもしれん」

思い出せないのは主の名前だ。きっと、チカラが出せないのもユエが彼の名前を呼ばないからだろう、しかし記憶に彼の名前がなかった。ションボリしている彼女に気分転換をと森に連れ出したのは主だった。

「マッシュ、大丈夫かな‥変なもの拾って食べたりしてないかなぁ」

「よく話に出てくる名前だな」

「助けてくれたの、マッシュとダンカン師匠とバルガスさん!師匠の奥さまはね、優しくてお母さんみたいだったの」

「良い人間に拾われたな」

「うん!‥元気かなぁ」

主は優しく髪を撫でて「生きているさ」と笑った。その表情がどこか見覚えがあって、ユエは思い出そうと巡ったが叶わなかった。

「ユエ、戻ろう」

「うん?」「人間が、くる」

抱きかかえられて目を真ん丸にした、木の上に登り息を潜めていれば緑の髪の少女がカゴを手に歩いている。

「ティナ‥!」「知り合いか?」

「生きてた、よかった‥」


希望の光


泣いてしまいそうになったが、また泣き虫と呼ばれるのが嫌でユエは必死に涙を堪えていた。


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あきゅろす。
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