St.V バージル
日本とは少し違う習慣らしい。
「ばーじる!」
「その発音は最悪だぞ、ユエ」
朝イチで部屋に籠る香りに顔をしかめれば、今日がなんの日であったかとはたと首を傾げる。(そう言えば朝から彼女の使い魔の姿が見えない)(甘い臭いが嫌いなんだってさ)
「はい、今年は日本の習慣にならってみました!女の子から好きな人に!」
「‥ならう必要があったのか?」
「大有りだよ、Vergil」
ユエの手には彼女の両手を広げたサイズもある大きなハート型のチョコレート(甘味が得意ではないバージルには新手の兵器に見えた)で、彼は受け取るのを一瞬だけ躊躇っていた。
「‥ありがたく、いただこう」
「(うふふ全然有り難そうじゃないのが可愛いな!)」
ユエはクスクスと笑って、それでも自分の気持ちを初めて具現化したチョコレートを受け取ってくれたことがとても嬉しかった。
「‥しかし、だ」
「うん?」
「この大きさ‥俺一人では一生掛かってもなくならん」
「じゃあ私も一緒に食べる!」
「(初めからそのつもりだっただろうに)」
日本の習慣はまこと不可思議だ
ちなみにバージルからはネックレスをいただきました。
(ちょ、一ヶ月後の三倍返し!)(その時はまたその時だろう、ユエ)
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久々バージル^^彼のツンデレっぷりがイマイチでした。敢えてのドデカイ王道チョコレート!
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