04
「カルマ、どう?」
全システムを起動させた日、ユエは心配しながらメインルームにいるカルマに声を掛けた。彼女は離れた都市部にいてあちらこちらと移動している。細部まで人間の暮らしやすい場所としても提供したいようで自分の目で確かめると言って朝から活動していた。
「大丈夫です。こちらからはキチンと見えますよ死角は今のところありません」
「そう、よかった」
昼食にしましょうとカルマは提案する、支度をしますからゆっくりで構いませんと言葉を残してキッチンに入った音が聞こえた。ユエは空を見上げて、まるで夫婦みたいだと1人考えて恥ずかしさに沈む、早く早く帰りたいと思いながら都市部をスクーターで走り回った。
「お帰りなさい、早かったですね」
「早く帰りたかったの、なんか可愛い妻が待ってるかと思ったら、ね」
クスクスと笑うとカルマはキョトンとした。妻ならユエさんのほうでしょうと言うと首を横に振って「カルマを嫁に貰えるなら嬉しいんだけどねぇ」と悪戯っぽくウィンクして見せた。
「‥‥ユエさんの好きなアップルパイをまた作ります」
「有り難う、お嫁さん」
「本部にいらっしゃる息子さんが泣きますよ」
「あら、新しいお母さんがカルマくんみたいだったら喜ぶわ」
口では勝てないと
「‥明日はキノコのシチューにしましょうか」
「や、やだっ!キノコきらい!」
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