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07.運命的な出会い<A-Q>

私とユエが出会ったのは、Dr.クエーサーの研究室に迷い込んできた時だった。

「おや、」

「‥‥ひっ」

まだ幼い彼女はまだ立体映像でしかなかった私を見て目を丸くしている。Dr.は外出をしていて、勝手に入ってきた少女に注意をした。

「‥迷子ですか?」

「‥Dr.は、いないの?」

「Dr.に用事ですか?」

「頼まれていた書類を‥届けに」

シンクタンクの制服を着ている幼い少女は書類をDr.のデスクに置くと、私の前まで近付く。見上げて、可愛らしく首をかしげていた。

「‥あなたは、<A-Q>?」

「そうですよ。非公式ですが」

「じゃあ内緒にしとくね。誰にも言わない」

「そうしていただけると、嬉しいです」

少女はとても聡明で物分かりの良い、噂に聞いた通りの優等生だと思った。天才ハッカー、罪を償うようにシンクタンク・アトランダムに入社して、今まで真面目に勤めているという。すべてDr.の独り言を聞いて組み立てた空想事だったが、どうやら外れでもなさそうだ。

「名前を聞いても?」

「‥ユエ、といいます」

「‥ユエ」

口にすると何処か擽ったくなる響きだった。

「‥貴方は?」

「‥クオータ、これも非公式です」

「クオータ、さん」

また来てもいいですかという少女の‥ユエの台詞につい微笑んでしまった。断るべきだったのかもしれないが、これから先、どう関わるかもしれない相手を作っておくのも利益になるかもしれない。

「‥ありがとう。また来ます」

運命的な出会い


彼は少し知り合いに似ていた。



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