☆短編小説☆
放課後図書室
放課後、図書室のドアを開けると君がいる─…
ガチャ
俺はいつものように図書室に入った。
君は笑顔で挨拶をする
「悠弥クンこんにちは^^毎日ごめんね」
「お、おう」
ぶっきらぼうに返事をする俺
アイツと一緒にいるために図書委員の仕事を手伝っている。
俺から手伝うって言い出したんだ。
でも、最近アイツの様子がおかしい 妙によそよそしいんだ
「ねぇ、悠弥くんは彼女いるの?あっ、深い意味じゃなくてね、
放課後毎日手伝ってもらってるから、彼女サンに悪いなぁって思っただけ///」
えっ?彼女なんかいない!俺はお前以外に彼女なんか作る気しない
「彼女なんかいないよっ、でも好きな奴はいる」
「そぉなんだ、どんなこ?もしかして、私が知ってるこ!?」
好きな奴はお前だぁって言いたい。でも、今の関係が崩れるかもしれない。それが怖いから言わない。
「ナイショ☆ってか、お前はいるの?好きな奴」
「う、うん。いるよ、かっこいい人」
えっいるの!?告白する前に失恋決定!?
「ど、どんな奴!?」
「えーっとねぇ、気が利いて、とっても明るくて、すっごくかっこいいの///」
「へ、へーそうなんだ。」
失恋決定だぁぁー(T△T)
「うん。…悠弥クンは告白しないの?」
「俺?俺はしない」
失恋って解ってて告白するのは悲しいよ。。。
「どうして?」
「そりゃぁ…」
言えるわけねーよ!
「まぁ、色々あってな」
「そっかぁ、大変だねぇ」
「お前は、告白しないのか?」
したらしたで悲しいけど
「微妙。」
「微妙?なんだソレ」
「だって、告白して今の関係が無くなっちゃったら嫌だもん」
俺と一緒だ///
「そうだよなぁ、でもお前が告白したら絶対に良い結果が出るって!」
って言うか、振った奴殺すし…
「そうかなぁ、ありがとぉ。少し勇気が出たよ」
「おう、がんばれよ!」
本当は応援なんかしたくない。でも、止める権利なんかない。
「ごめん、俺今日は帰るなっ」
「あっうん。わかったぁ」
俺は足早に家へ向かった
悠弥の部屋─…
コンコン
「入るわよ」
ガチャ
お母さんだ
「洗濯物、またベットでゴロゴロしてるの?たまには勉強しなさいよ。
努力すれば結果は自然と出てくるんだから」
「努力か─…」
ん?待てよ?俺は何か努力したか?
告白してもないのに失恋決定って決めつけて、よし!決めた!明日告白しよう!
翌日の放課後・図書室前─…
ドキドキ。俺、しっかり言えるかな
ガチャ
「おっす!…!?」
えっ!?アイツが男と仲良さそうに喋ってる、もしかしてアイツが好きな奴なのか!?
「あっ、悠弥クンこんにちは♪あのね、今日大事な話があるんだけど…」
「ごめん!俺帰る!」
「えっ?あっ待って!」
俺は勢いよく家に向かって走った
悠弥の部屋─…
部屋に入るとベットに寝ころんだ 窓から入ってくる風が気持ち良い。
やっぱり、好きな奴だったのかな。絶対俺の方がかっこいいし…
自然と涙が出てくる。かっこわりー。
俺はそのまま眠りについた。
翌日・教室─…
「悠弥ー、後輩が呼んでるー」
「あ?後輩?」
俺なんかしたっけ?
「どーもー、悠弥で…す!?」
俺の目の前にいたのは昨日アイツと一緒にいた男だった。
後輩だったのか…
「悠弥サン初めまして、如月昴です」
如月?どこかで聞いたよぉな…どこで聞いたんだっけ?
「で、何か用?」
「はい、あのぉ奈菜歌って知ってますよね?」
奈菜歌って言うのは、俺が好きなアイツの名前だ。
「奈菜歌?知ってるけど」
っつーか、後輩が先輩のこと呼び捨てにすんなよ!
「奈菜歌は、俺の姉貴なんです」
「・・・はぁぁぁ!?」
姉貴だとぉぉ!?
「あ、その反応やっぱり」
「な、なんだよ」
「今日の放課後、図書室で奈菜歌が待ってます。それじゃぁ」
「は!?ちょっと待てよ!」
んじゃぁ、俺は弟相手に嫉妬してたのか?バカじゃん俺!って言うか、弟は解ってたのか?
俺がアイツのこと好きだってこと。ん〜わかんねー
まぁいいや。放課後、図書室に行ってみよう。
放課後・図書室の前─…
ドックンドックン。心臓飛び出そうだ…よし!
ガチャ
「あ、悠弥クン。もう来てくれないかと思ったぁ」
「な、なんで?」
「だって、急に私のこと避け出したでしょ?私のこと嫌いになちゃったのかと…」
嫌いになんかなってねーよ!
「き、嫌いになんかなってねー。俺、」
「悠弥クン聞いて!アタシねっ悠弥クンが好きだよ///」
えっ!?
「はい?だってお前『気が利いて、とっても明るくて、すっごくかっこいい』奴が好きなんじゃないのか?」
「うん♪だから悠弥クン♪悠弥クンすっごくかっこいいよ!」
俺はアイツを勢いよく抱き締めた
「俺もお前のことが好き…」
すっごく小さな声で言い、軽く口付けをした
アイツは「へへ///」と照れ笑いをしたので、つられて俺も笑った
明日も、明後日も、ずーっと、放課後の図書室を開けると
君が笑って迎えてくれるだろ─…
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